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カテゴリ「ウェット・ストーリー」の53件の記事 Feed

2018年7月22日 (日)

教育実習生時代の記憶

 暑さの厳しい日が続く中、絵里子は教育実習生の女子学生たちへの着衣水泳指導のために練習に励んでいる。ここ数日の間は毎日、帰宅前の30分くらいはスーツを着たままプールに入ってずぶ濡れになるのが日課だ。
 教師としてベテランの域である絵里子は、スーツを数十着は保有している。連日、クローゼットの奥に眠っている、もう着ないであろうと思われるスーツを取り出しては練習のために通勤時のスーツとは別に持参してきている。

 昨夜も、もう着ないだろうと思われるスーツをクローゼットの奥の方から取り出そうとしていた。奥のまたその奥に・・・取り出してくれと言わんばかりに絵里子をなぜか引きつけたスーツがあった。それは、絵里子が教育実習生の時に着用していた「思い出の」リクルートスーツであった・・・。
 就職活動をしていた頃、絵里子はいくつかのメーカーや商社も回っていて、本命は某大手の商社であったが、結局本命を含め、どこの会社からも内定をもらうことができず、教育学部という自分の立場を生かして教員免許取得へと大学三年時に、急遽、舵を切り、首尾よく教員になれたという過去があった。

 
 ・・・教育実習生時代の絵里子・・・

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 今、絵里子は着衣水泳指導を受ける女子数名と一緒に、リクルートスーツ姿でプールサイドに立っている。
 みんな、タイトスカートのおしりには深くて長いヨコ皺が何本かあり、お尻部分の生地はテカって見える。ジャケットの背中にもしわがあり、就職活動でかなりスーツを着こなしているということを物語っていた。
 当然、この着衣水泳実習には、何着か持っているスーツの中で一番古くて着こなされたスーツで臨み、着替えにはまだそれほど着ていない新しめのスーツを持ってくるのが普通だ。着衣水泳実習では、教室での授業実習時の服、つまりスーツで参加することが義務図けられていたからだ。
 絵里子は、そうしたことも踏まえ、着衣水泳実習に備えてスーツを1着新調していた。黒の2ボタンで無難なデザインだ。教師になってからでも着用できるようにとの思いもあった。

 絵里子はなんと、今、今朝おろしたばかりのそのリクルートスーツを着てプールサイドに立っている。新品でしわひとつないスーツを着ているために逆に絵里子は目立った。
 実は、今日、実習の一つとして「着衣水泳」があることをうっかり忘れていたのだ。絵里子は泣きそうな気分だった。着衣水泳実習があることを忘れていたために着替えなど持ってきていない。おまけに、今着ているのは新品のスーツだ。
 しかし、そんな絵里子の気持ちはおかまいないしに実習は淡々とスタートしていく。当然といえば当然のことである。

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 指導教師の号令がかかる。
 「では、みなさん、プールの中に入る前に準備体操しましょう!」
 参加者たちはみんな腕立てや腹筋を数回こなし、ストレッチも念入りに行う。絵里子もこの先のことを考えながら腹筋をしていた・・・。
 シャーー。シャーー。
 突然、どこからともなくシャワーがスーツに降り注いできた。土砂降りとまではいかないが、本降りの雨のような水の勢いである。絵里子だけでなくほかの女子学生たちのスーツにも降り注いでいる。
 「今日はスーツは濡らした状態でプールに入ります。服を着たまま濡れた状態の感覚を覚えてもらうのが今日の実習の目的ですので。」
 絵里子のスーツは今朝新調したばかりのため、水をはじいていたがしばらくシャワーを浴びているとさすがに水が徐々にしみ込んできた。たちがると、水をずっしりと吸い込んだスーツの重さを感じた。

 プールサイドに座りバタ足をしたり、自分に向かって水をバシャバシャとかけてさらにスーツを濡らしていくと、水の冷たさにも慣れてきたのでプールの中に入っていった。
 まずは浅瀬でスーツを着たままの状態で水中感覚になれたら、何度ももぐり、頭から全身が水に浸かった状態で自由な動きがどのくらいできるかを確認した。その後、プールの中でビート板の浮力を借りて、自分の体を浮かせることをした。最初のうちはビート板を使ってもなかなかうまく浮くことができないが、しばらくすると水面にあおむけの状態で浮くことができた。ずぶ濡れになったリクルートスーツのスカートやジャケットが水面から出て室内の蛍光灯のあかりに反射して光沢を放っていた。

 

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 「最後に、泳げる人は着衣水泳を体験してください。」
 と指導教師がいうと、絵里子はじめ数名の女子学生がずぶ濡れとなったスーツ姿のまま再度プールに入って泳ぎ始めた。中には泳げない参加者もいたが、彼女たちは後日、水泳教室を受けることになっている。
 絵里子は、小学生時代にスイミングスクールで一通りの泳法をマスターしたが、スーツ姿で泳ぎにくいということもあり、平泳ぎをした。久しぶりに泳いだが、いい感じの泳ぎだ。

 おろしたてのリクルートスーツで泳いでいることを忘れてた・・・。ずぶ濡れのスーツ姿でこのまま帰宅しなくてはならないことも今は頭の中にはなかった。
 スーツのまま泳ぐことが、こんなにも気持ちいいのかという意外な発見に驚いていた。

 その感覚を堪能していると、周囲が明るくなった。


 今、絵里子は、昨夜クローゼットの奥から取り出した、思い出の詰まった黒のリクルートスーツを着て、プールサイドに立っていた。

 (おわり)

 

2018年5月24日 (木)

着衣水泳指導に向けて

 梅雨入りの時期が近づく季節になった。毎年この時期になると全国各地の学校では、教育実習が始まる。絵里子が教師として勤務している高校でも、何名かの教育実習生を迎え入れることになる。

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 絵里子はこの学校の中でもベテランの域になり、今年から教育実習生や新人教師の女性の指導を任せられることとなった。
 この高校では、珍しく着衣水泳の実習が独自に設けられている。近年、全国的にゲリラ豪雨などが発生し、都市部であれ田舎であれ、いつどこで洪水などの予期せぬ水災害が起きるかわからなくなってきている。通勤・通学時や帰宅時を想定し、通勤・通学時や帰宅時の服装のまま水災害から身を守る訓練をすること重要性が高まりつつある。
 さらには、絵里子の勤務する学校周辺には土地柄、ため池や貯水槽が点在していた。そのため、不注意などでそうしたところに落ちた場合を想定しての訓練が学校の室内プールで定期的に実施されている。

 もちろん、絵里子は過去に何度も訓練を受けてきたが、実習生を指導するのは今回が初めてである。
 自分が着衣水泳を行うのと、指導するのとでは勝手が違う。うまく学生たちを指導できるかが心配な絵里子は、放課後に一人で指導の練習をすることにした。

 教育実習生はリクルートスーツ着用が義務付けられている。通勤や帰宅時を想定しての訓練のため、実習生たちはリクルートスーツのまま着衣水泳の実習に参加することになっている。
 絵里子は教師という職業柄、多くのスーツを保有しているが、学生たちの大半は2着程度しかスーツを持っていないのが普通だ。スーツのままずぶ濡れになることは、事前に実習内容が明らかにされるとはいえ学生たちにとってはかなり衝撃的な経験となるはずだ。
 絵里子は、そんな学生たちの心に少しでも寄り添うために、日頃から通勤や授業の時に着ているスーツ姿で着衣水泳の指導を行うことに決めていた。

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 今、絵里子は朝自宅から着てきた黒のスーツに身を包んでプールサイドを歩いている。いきなりドボンと入るわけにはいかない、先ほど軽く体を動かしているので、準備体操はとばし、まずはシャワーをゆっくり浴びていくことにした。
 髪の毛から徐々に水がかかっていき、ジャケットを滴りスカートまで水が到達した。ずぶ濡れというほどではないが、雨の中、傘もささずにしばらく街を歩いているときのような状態だ。
 その後、プールの縁に座りバタ足をして体を動かし温めていき、水の中に入る準備を整える。

 そして、いよいよ、スーツのままプールの中に入った。
 温水プールで水は温かく気持ちよいと思ったが、スーツのまま水の中に入るというのは、やはり変な感覚だった。
 しかし、リクルートスーツのままプールの中に入る教育実習生のために、一生懸命に指導の練習をしないといけないという使命感で絵里子はいっぱいだった。指導要領にそって指導手順を確認していた。
 プール内の歩行をしばらくおこなうと、今度は、平泳ぎである。万一、着衣のまま池などに落ちた場合、一番泳ぎやすい泳法は平泳ぎとされている。ただ、スーツのジャケットを着こんだまま水の中に落ちた場合、かなり泳ぎにくくなる。この泳ぎにくさを身をもって経験することが、この着衣水泳指導の肝である。

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 その後、プールの浅瀬に移動して水の中で色々なポーズでストレッチをしてスーツを着たままでどのくらい自由に体が動くのかをチェックした。
 また、立ち上がったり、全身水に浸かったりして、水を含んだ状態で陸上にいる感覚と、水の中にいる感覚とを比較もした。これも、着衣水泳指導を行う上では重要な体験である。
 実習生にもこのことをしっかりと体験させる必要がある。絵里子は何度も繰り返し、その感覚を自分の言葉で実習生たちに伝えられるように努めた。

 次はクロールの練習だ。これは、無理をせず泳ぎが得意な者だけを対象とするように注意書きがあった。絵里子は自分では泳ぎは得意なほうだと自負があったので、スーツのままクロールで泳ぐのがどのような感覚なのかを確かめた。
 平泳ぎよりも困難で、さすがの絵里子も自由に泳ぐことができなかった。この経験も指導の際にフィードバックされる。これで、一通り着衣水泳指導の流れをこなした。

 最後は、着衣水泳指導とは関係ないが、プール脇にある大浴場でくつろぐことにした。すぐに体がポカポカしてきて気持ちよくなった。
 浴槽の中で体を浮かせてみるとそのまま寝てしまいそうになった。着衣水泳の疲れはとれリラックスできたが、実習生への指導に関して一抹の不安を抱きながらプールを後にする絵里子であった

2017年7月14日 (金)

女子学生のための就活塾①

 今の時代、就活で内定を獲得しやすくするために「就活塾」というものが盛況だ。絵里子は、本格的な就職活動を来年に控え、大学3年時から「就活塾通い」の決意をした。
 絵里子が選んだ就活塾は女子学生にのみ門戸を開いており、普通の就活塾とは一線を画している。ウリは、ある「属性」をもつ会社経営者が運営する会社への就職内定率は100%だということである。
 その「属性」とは、ずばり、女子学生のリクルートスーツ姿が大好きな「リクスーフェチ」であり、かつ、リクルートスーツのままプールに入ったり入浴したりする様子を観察するのが好きな「ウェットフェチ」であるということだ。こうした趣向をもった会社経営者との太いパイプをいくつも持っている某就活塾に絵里子は意を決して入塾した。

 この就活塾は毎週1回、自らもリクルートスーツ&ウェットフェチである塾長直々のプライベートレッスンを受けられる。全3回でクライアントである会社経営者が好みそうな「行為」や「趣向」を習得する。そして、習得したことを「特別面接」の際に披露すれば100%内定を獲得できる。

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 「失礼します。」
 いよいよ就活塾の第1回目の講座だ。濃紺リクルートスーツに身を包んだ絵里子は、面接時のマナーを意識してドアをあけた。
 室内に通され、ソファーに座った。今日は講座の初日ということで塾長との雑談がメインになっている。その後、「リクルートスーツウェット」の醍醐味についての話も聞く。百聞は一見に如かずということで、映像を収めたDVDを視聴し、内定獲得のためのエッセンスを学ぶはずであったが・・・。
 「DVDが見当たらないぞ。」
 どうやら視聴するはずだったDVDが無いらしい。塾長はDVDをなくしてしまったのだろうか!?
 否。これは計画的なことであった。
 絵里子は、面接を行っている室内や、DVDデッキ、テレビの周辺を探すが見つからない。見つかるはずがない・・・!
 「この部屋以外にどちらに行かれましたか?」
 絵里子が尋ねると塾長はわざとらしく答える。
 「そういえば、さっき、プールサイドに行ったかな~。」

 絵里子はリクルートバックをしっかり肩に掛け、塾長と一緒にプールのある方へと移動する。プールの水面がキラキラ輝く光景に見とれるが、その反射光でまぶしくもあった。絵里子は、プールサイド周辺を一瞥するがDVDなど見つからない。しかし、プールの中に目を落とすと、ケースに入ったDVDが沈んでいるのに気が付いた。

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 絵里子はこの就活塾の目的に思いを馳せ、全てを悟った。
 「何かのひょうしでプールに落ちたのかもしれませんね。探してきます!」
 躊躇することなくリクルートスーツを着たままプールの中に入り、水中のDVDを拾う。
 「ありましたよ!」
 塾長の思惑通りであると同時に、絵里子が塾長の意図する事を忖度した結果でもあった。見つけたDVDは自宅で第2回目の講座の時までに視聴してくることが宿題として課され、リクルートバックの中にしまう。

 DVDを見つけたご褒美として、塾長からプールの中にしばらく入っていても良いという許可をもらう。すでにずぶ濡れになって真っ黒に変色した濃紺リクルートスーツのまま再びプールに入ることは何の抵抗もなかったが、プールに入ることが「ご褒美」なのかと絵里子は疑問に思った。
 しかし、炎天下で熱を吸収しやすい黒のリクルートスーツ姿でプールサイドにいるよりは、プールの中の方が涼しくて気持ち良く感じるのは事実だ。ある意味、ご褒美かもしれない・・・とも感じる絵里子であったが、この思考経路こそ塾長が敷いたレールにほかならない。

 しばらくすると、塾長からリクルートバックを持ってプールに入るとクライアントさんからの印象が良く、さらに内定をゲットしやすいという情報をもらう。絵里子は素直に実行に移す。
 スーツのままプールの中に入るのは今日が初めての経験だったが、リクルートバックも持った状態でというのがさらにシュールなことに感じた。リクルートバックを持ったままプールにしばらく入っていたせいか、DVDを落としてしまったらしく、カバンの中には見当たらない。
 「あっ、さっきのDVD落としてしまったみたいです。」
 絵里子は再び潜ってDVDを拾うと、プールからあがり、プールサイドに置かれたチェアーベットに身体をあずけてくつろいだ。

 就活塾1回目で、絵里子はリクルートスーツフェチやウェットフェチについて、なんとなく分かった気がした。2回目以降はさらにハードな内容になるという。絵里子は今日もらったDVDでしっかり学習して次回以降に備えようと意気込んだ。
 

2017年4月13日 (木)

就活女子学生の秘密①

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 都内のとある賃貸マンションの一室。慣れないリクルートスーツに身をつつんだ就活中の女子学生、絵里子。

 就職活動をおこなう女子学生を取り巻く環境は依然として厳しい。大学の授業はもちろんのこと、入学時から属している体育会系サークルの活動、さらには生活費や就活費を稼ぐためのアルバイト、卒論準備など、絵里子のように「まじめな」女子学生にとって就職活動は心身ともにハードなものとなる。時間はいくらあっても足りない。

 大学4年になった絵里子は4月になって本格的に就職活動を開始した。就職活動によるストレスはかなりのものだった。
 絵里子は就職セミナーから帰宅するとリクルートスーツから私服へと着替えるのも億劫に感じた。リクルートスーツのまま浴室へと向かった。いま流行りのウォッシャブル・リクルートスーツを着ている絵里子は、そのまま入浴し、ついでに洗濯すればよいと考えた。

 まず、シャワーを浴びてから入浴し、湯船に浸かってリラックスしたら洗髪もした。身も心もリフレッシュすると同時に、リクルートスーツのまま入浴するという行為に、不思議な感覚を覚えたのだった・・・。

2016年10月29日 (土)

着衣水泳部への体験入部③

 午後3時の休憩後、参加者たちは新たな服に着替えてプールサイドに集合した。
 絵里子は、なんと帰宅時用にと持ってきたはずの濃紺リクルートスーツ姿だ。後先の事を全く考えていない。絵里子はすでに、着衣水泳というか、服のままずぶ濡れになっていくという行為の何とも言えない楽しさに目覚め、その虜になっていたのであった。

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 絵里子はたまたま持ってきていた水風船を先輩に差し出し、プールサイドで遊ぶことを申し出た。
 先輩はそのことを快諾したが、「着衣水泳部」の成員である以上、心の中には悪だくみを抱いていた。水をかなり含ませ今にも割れそうなほどに限界ギリギリまで膨らませた水風船を使って、絵里子の望み通りプールサイドでキャッチボールを始めた。
 なかなか割れず、二人の間に退屈感が漂い始めたころ、先輩が絵里子に細工を施した。絵里子は素直に受け入れた。

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 次の瞬間から先輩が絵里子に投げる水風船は、かなりの確率で割れだし、たくさんの水が絵里子の濃紺スーツにかかる。何度も繰り返されるうちに、絵里子のスーツの前面はジャケットもタイトスカートもずぶ濡れで、水はブラウスはもちろんのこと、下着にもしみこみ始めていた。裾からは水がしたたり落ちる。
 しかし、絵里子は意外にも笑顔で、自分が置かれている状況を楽しんでいるようであった。

 水風船を使い果たすと、プールサイドには水風船が割れた残骸と、ずぶ濡れとなったスーツ姿の絵里子が存在しているだけであった。

 「(これだけ濡れたらプールに入ったのと変わりないわ)」
 と絵里子は内心思っていた。
 「絵里子ちゃん、そんな濡れちゃったんだから、いっそのこと泳ごうよ。」
 「あっ、はい・・・そうですよね・・・。」
 先輩は思惑通り自分の悪だくみが実現し、しかも、かわいい新入女子学生に対する支配感を味わっていた。
 否。
 実は、これは絵里子が先輩をこのように誘導しただけであった。そもそも「水風船」を用意したのは絵里子だ。

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 絵里子はこの体験入部を通して偶然にも「服のまま濡れる」という行為に快感を覚えたものの、その行為に至るまでは、自発的というよりも、受動的、あるいは偶発的、つまり自分だけの判断によるものではない過程で実現されることの方により興味を持ち始めていたのだった。

 絵里子はプールに入り、あたかも先輩に操られているかのように(実は、逆に絵里子が先輩を操っているのだが・・・)、「従順に」ビート板を使って泳いだり、何度も水中にもぐったりしながら、わざとスカートがめくれ上がるようにし、先輩の目をひくように大胆に振舞い続けた。
 この体験入部に持参したスーツ3着は全てずぶ濡れとなった。いずれかのスーツを着て帰宅の途につかなくてはならなくなった代償を払う代わりに、新たな「楽しみ」を見つけ、充実した思いをかみしめていた。
 すでに、絵里子の中では、着衣水泳部への入部は確定的であった。この世界にいざなわれた絵里子の行く末は誰も知る由はない。

  終わり
 

2016年9月12日 (月)

着衣水泳部への体験入部②

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 昼食後、再びプールに集まって午後の部が開始された。
 絵里子はライトグレーの3つボタンスーツを着ている。塾講師のアルバイトの際に着回しで着用しているスーツの一つだ。
 午後も午前中に面倒を見てもらった先輩の男子部員からマンツーマンで指導を受けることになった。どうやらその先輩から気に入られたようだ。着衣水泳部といえども、絵里子は泳ぐことはおろか、水への恐怖心が完全に除かれていないということもあり、もっとプールの水になれる必要があった。

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 先輩の案で、プールの中を歩行したり、潜って移動する練習をすることになった。単にプールの中を歩き回るだけではつまらないということで、プールにいくつかのボールを投げ入れて、それをできるだけ早く拾い集めるというゲームを2セット行うことにした。

 絵里子はカラーボールをプールのあちらこちらに投げ入れた。いきなり冷たいプールに入るといけないとのことで、先輩がシャワーで水をかけた。
 ジャケットもスカートも濡れた個所が徐々に黒っぽく変色していった。ある程度スーツが濡れたということもあり、絵里子は何の抵抗もなくプールに入ってボール拾いを開始することができた。
 近くに2つ3つとかたまってボールが浮いている場合もあるが、一度に1つだけボールを拾い、それをプールサイドに置くというのがこのゲームの決まりだ。必然的にボールの数とプールサイドとの往復の回数が一緒になる。時折、プールサイドに完全に上がったりもした。その時は、ジャケットやスカートの裾から激しく水がしたたり落ちた。

 水の中を歩くのは、簡単そうに思えて意外と水の抵抗で進むのが大変で、1セット終えるのにけっこう時間がかかった。

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 2セット目は1セット目もよりも時間を短縮することがミッションだった。
 隣のレーンへ移るときはコースロープの下を潜るという決まりだった。これも絵里子が早く水に慣れるようにという思いから先輩によって与えられた「試練」だった。水中から顔を出すたびに絵里子は顔を手で覆って水を払いのけるしぐさをした。

 しかし、何度も繰り返すうちに歩行速度も潜り方も上手になった。時計を見ると、もうすぐ3時休憩だった。
 休憩前の最後に、ゴーグルをつけビート板を使って、顔を水につけながら泳ぐ練習をすることにした。すると、午前中よりもかなり速く25メートルプールを往復できるようになっていた。
 絵里子も先輩もかなりの手ごたえを感じ始めていた。ビート板を使うという条件付きであっても、「着衣水泳」をしていることには変わりない。ましてや、絵里子は泳ぎにくい衣装の代表例ともいえるスーツ着用だ。かなづちの状態でこの体験入部に参加したことを考えれば大きな進歩であった。

 ③へと続く

2016年8月 6日 (土)

着衣水泳部への体験入部①

 いよいよ待ちに待った着衣水泳部への体験入部の日がやってきた。
 絵里子は、スーツケースにライトグレーと濃紺のスーツ、ブラウスや下着などを皺にならないようにきれいに詰め込んだ。帰宅時に着用するための私服を持っていこうとしたが、荷物になるのでやめた。ライトグレーか濃紺のどちらかのスーツが濡れずに済むだろうから、そのどちらかで帰ってくれば良いと考えた。

 ~ 中略 ~

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 集合場所にいくと、まばらに人が集まっていた。せわしく動き、入部希望者と話してメモを取っている女子学生が、先日、絵里子の電話に出た着衣水泳部の部長だとすぐに分かった。参加者は男女合わせて10名ほどだった。部長が絵里子の存在に気が付くと近づいてきて、名前や着替えの着数などを確認した。

 周囲を見渡すと意外にも参加者のほとんどが女子だった。男子は上級生の部員が2名だ。
 女子はセーラー服などの女子高生制服やらアニメのコスプレ、マキシスカートなど、到底これからプールに入るとは思えない恰好ばかりだ。絵里子にいたっては黒の2釦スーツ。このスーツは大学の入学式で1回着用し、クリーニングに出してクローゼットに入れておいたものだ。新品同様で皺ひとつなかった。
 絵里子は、自分のスーツに視線を落とすと、後悔の念が少しだけ湧き上がってきた。・・・・・実家に行ってタンスの肥やしになっている高校時代や中学時代の制服とかテニス部時代のユニフォームを持って来ればよかったと・・・。

 まもなく、メイド服姿の部長が説明をはじめた。
 「参加者の皆さん、では、キャンパス内の室内プールに移動して、早速ですが、着衣水泳をはじめたいと思います。プールに着いたらロッカーに着替えなどの荷物を入れて、プールサイドに集合してください。着替えはもちろん持ってきているでしょうから、今着ている服のまま迅速に集合してくださいね!」

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 授業がなく閑散としているキャンパス内を歩きながら、絵里子は自分が今着ているスーツの運命を悟った。プールに着くと、荷物を整え、部長の言葉通りプールサイドに行った。


 「では、皆さん、まずは準備体操を十分にしてから入水してくださいね。室内プールですけど、ここは温水ではなく冷たいので注意してください。」

 絵里子は入念に準備体操をして体を温めた。体験入部参加者達は、キャーといいながらも楽しそうにプールサイドに座って水を自分に向かってかけ始めた。水は想像以上に冷たく、体が慣れるまでに時間がかかりそうだった。絵里子はスーツに向かって水をかけた。
 「行きます!」
 とセーラー服を着た参加者が突然プールに飛び込んだ。水しぶきが絵里子や他の参加者にも飛び散った。後に続けといわんばかりに、次々に参加者達はプールに入っていく。絵里子は出遅れていた。自分で決めたこととはいえ、スーツ姿でいることにためらいを感じていたのだ。
 しかし、ここまできて引き返すわけにはいかないことはわかっていた。「着衣水泳」という未知なる経験・・・・今日という日を密かに楽しみにしていたのも事実だった。自分の気持ちだけはごまかすことはできない。

 絵里子は意を決すると、ゆっくりとプールに入っていった。スカートからジャケット、ブラウスへと徐々に水に浸かっていく。いきなり水圧で体が締め付けられるような感覚に襲われた。何とも言えない感覚だった。
 かなづちの絵里子はただ、プールの中を歩き回るだけだった。その様子を見た上級生の男子部員の一人が近寄ってきた。
 「泳げないの?」
 「あっ、はい、すみません。」
 「ただ水に浸かっているだけじゃつまらないでしょ。犬かきでも何でもいいからチャレンジしてみない?(笑)」
 「犬かきもできないかも・・・。」
 絵里子はもがきながら進むことを試みた。しかし、その姿は泳いでいるというよりは、溺れているといった方が適切だった。みかねた、彼はビート板を差し出した。
 「これを使ってみようか。腕をまっすぐ伸ばしてその下にこれを入れてみて。脇の下奥深くまでね。それで、力を抜いてお尻を浮かすように意識してみて。」

 絵里子は言われたとおりにしているつもりだが、なかなか上手く浮き上がることができない。バタ足しても足が水中に沈んだままだった。しかし、彼の的確なアドバイスのおかげで、ビート板を使えば泳げるようになった。
 ただ、まだ完全に水への恐怖心が除かれたわけではなかった。スーツを着たまま、素潜りをしたり、水中歩行をしたりと少しずつ水に慣れていくことにした。

 ②へと続く

2016年7月23日 (土)

猛暑しのぎの秘策!?

 暑い日が連日続きますね。まだ7月だというのに、関東では猛暑日を記録した場所がすでに何カ所かあります。
 こんな暑さの中、リクルートスーツのジャケットを着込んで就活にいそしむ女子学生を見ると、つい目がいってしまいます。私のような「リクルートスーツ&ウェット」フェチなら、すぐに彼女らを涼しくしてあげる方法はいくらでも思いつきます。きっと、このブログをご覧になっている皆さんも同じかと思います。(笑)

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 「就活女子!暑さを吹き飛ばせ!」ということで、「打ち水」ならぬ「水掛け・水かぶり」を推進してはどうかと。(笑)
 「冷水を頭からかぶる」ことで打ち水の100倍の効果があり、どこでも実践できます。自販機などミネラルウォータを手軽に入手できる現在においては、屋外であろうと場所を選びません!(笑)

 自宅であれば尚よしです。自宅で洗濯できる「ウォッシャブル」リクルートスーツがかなり普及してきたので、就活から帰宅したらそのままバスルームに直行することも可能です。
 頭から水をかぶって、シャワーを浴びれば一気に涼しくなれます。さらには、アロマ効果のある入浴剤を入れてバスタブに浸かればリラックスもできます。つまり、「涼&癒し」効果があるわけです。就活女子学生にこのようなことを手軽に実現可能にさせたのは、まさに、「ウォッシャブル」リクルートスーツのおかげなのです!

 ・・・・って、本気で言っているわけではなく、今月末か来月上旬に発表する新作のことです。(笑)
 今夏初となる新作の1シーン目は、上記のような内容を初々しい女子学生モデルさんに実践してもらいました。リリースまでもう少しお待ちください。

2016年7月15日 (金)

着衣水泳部への体験入部

 ~ プロローグ ~

 絵里子は、この春、大学に入学したものの、授業はもちろんのことアルバイトや一人暮らしの生活に慣れるのに必死で、ようやく気持ち的に余裕が出てきたのは六月になってからだった。交友関係を広め、学生生活をさらに充実させ楽しいものにしようと考え、人よりも一歩遅れてサークル探しを始めた。

 そんな時、キャンパス内の自由掲示板で、ふと絵里子の目に飛び込んできたのは、水泳部ならぬ「着衣水泳部」の新入生募集の張り紙だった。なんとも斬新で不可思議な響きを持った単語だった。これが自分の運命を変えることになろうとは絵里子は思ってもいなかった。 
 「(着衣水泳って何?聞いたことあるようなないような。面白そう・・・かも。)」
 絵里子は自分がカナヅチであることも忘れ、貼り紙に書かれている連絡先に早速電話していた。

 ~ 中略 ~

 電話を切った時、なぜか絵里子の心は弾んでいた。すでに、絵里子は今度の日曜日に実施されるという着衣水泳部の体験入部に参加する意思をかためていた。時期も時期なので、これが最後の体験入部説明会だということだった。これを逃したら、一生、着衣水泳を体験できないような気がして、何が何でも参加しなくてはという感覚に陥っていた。

 「(水着は持っていく必要ないんだよね。普段の恰好とか、コスプレとか、本来なら濡らしちゃいけない服とか・・・濡れるのを楽しむサークルだから、好きなだけ服を持ってきてくださいとか言ってたけど・・・私・・・何持って行こうかな・・・。)」

 自分が泳げないことを不安に思いつつも、服を着たまま濡れるという不思議な体験への好奇心が頭の中を支配し始めた。

 帰宅して、クローゼットを開けると、黒のスーツが目に飛び込んできた。入学式で着用したきりになっていたものだった。その隣には濃紺とライトグレーのスーツもハンガーにかかっている。これらは、塾講師のアルバイトで着用しているものだった。週4日もアルバイトをしているため、スーツは着用感があり、スカートには座りじわやテカリが目立つ。
 普段、大学の授業などに着ていったりする私服はなぜか着衣水泳で使うことに抵抗があった。スーツなら「仕事(アルバイト)着」ということで気持ちの割り切りができると考えた。

  そんなわけで、絵里子は、体験入部には、3着のスーツを持っていくことに決めた。体験入部の翌日に塾のアルバイトがあることなど、今はどうでもよかった。着衣水泳という未知の体験に思いをはせていた・・・。

  本編へ続く

2014年4月24日 (木)

就活内定の必勝儀礼!?

 絵里子は大学卒業を来春に控えた最終学年となった。卒論の準備に加えて、昨年の秋以降からは就職活動のためにエントリシートを大量に応募したり、履歴書の量産などで忙しい毎日を送っていた。
 ただ、絵里子が苦手な寒い時期が過ぎ去り、最近は春の気配を感じる暖かい日が多くなってきたのが救いであった。

 今日、絵里子はある就活セミナーに行った際、仲間から最近ネット上で話題になっている某サイトの存在を教えてもらった。
 そのサイトに書かれている「内定必勝儀礼」を実行すると希望する企業の内定をゲットできるという迷信が一部の就職女子学生の間で話題になっているとのことだ。二十代前半~三十代前半の女性をターゲットとした女性専門のファッション誌の「就活女子特集」というタイトルの記事の中でも紹介されており大きな反響となっている。

 もちろん、その「内定必勝儀礼」は「迷信」であるため、信憑性や合理性にかけているらしかった。
 しかし、この迷信を信じて実際に行動し、見事内定を勝ち取った人の喜びの声がサイト内の掲示板にたくさん書き込まれているのも事実だった。そんなことから、一部の女子学生の間では密かに話題になっていた。

 帰宅するなり、着替えもせずリクルートスーツ姿のまま机に向かった。そして、早速教えてもらったサイトにアクセスしてみた。
 「内定必勝儀礼」と大きく目立つタイトルで書かれていて、基礎編と応用編に分かれていた。どちらも淡々と説明が書かれていた。絵里子は興味を持ってまずは基礎編を読み始めた・・・。


~「内定必勝儀礼(基礎編)」~
次のことを実行すれば内定をゲット!


①この儀式には「おろしたてのリクルートスーツ一式」を購入すること。

②儀式用のリクルートスーツをを着用したまま一晩寝る。

③翌朝、起きたらリクルートスーツをハンガーにかけて1日以上おく。
※皺だらけになってしまったら霧吹きで水をかけて自然に皺をとること。
けっしてアイロンがけやクリーニングに出してはならない。


④雨の日になったらそのリクルートスーツを着用し、傘をささずにずぶ濡れになりながら、内定をもらいたい会社の本社または支社までいき自宅に戻る。
※途中で寄り道をしてはならない。
*交通機関を用いても良いが屋外を歩くときは雨に濡れたままの状態を維持すること。


⑤自宅に帰ってきたら、ずぶ濡れとなったリクルートスーツ一式を自然乾燥させてクリーニングに出す。

⑥クリーニングからリクルートスーツが戻ってきたら、必ずそのリクルートスーツ一式を着用し、内定をもらいたい会社の説明会やセミナー、面接など全ての選考に臨む。
※「内定必勝儀礼」の期間中はそのリクルートスーツ一式は絶対にクリーニングに出してはいけない。


⑦最終面接当日、帰宅後はまっすぐ浴室に行き、リクルートスーツを着用したまま入浴すること。入浴後のスーツは最終面接の連絡が来るまでクリーニングに出さずハンガーにかけて部屋の中に置いておく。

【注意】
 もし、この儀式を進行中に、他社の説明会や面接に臨むときは、この「内定必勝儀礼」で使用中のスーツ一式(ブラウスを含む)は使えない。

以上であなたは内定をゲットできるはずであるが、万一効果が無かった場合は、【応用編】を試すことをおすすめする。
 


 一読して非合理的でばかばかしい「内定必勝儀礼(基礎編)」であると絵里子は思った。
 しかし、これを実行して内定を勝ち取る人が実際にいることにより女子学生の一部の人はこの記事にひかれてしまうらしい。

 絵里子もそんな人間の一人だった。

 
雨の中、ずぶ濡れになりながら街中を歩くのは勇気がいるが、もしそれで内定がもらえるんだったら、この「内定必勝儀礼(基礎編)」に賭けてみようと絵里子は思った。

 そして、なぜか、絵里子は自分の感情をコントロールできなくなっていた。
 雨の中でびしょ濡れになるためのリクルートスーツを震える手でマウスを握りながら選んでいた。絵里子が購入しようとしているのはチャコールグレーのリクルートスーツだ。表地がイタリア製の毛で裏地がナイロンのものであった。生地は比較的薄手ですべすべした手触りのもののようだ。

 
「たとえ、これが単なる迷信で何の効力がなくても構わない・・・そんなことより・・・私。」
 
 絵里子の胸は激しく鼓動し始めていた。(完)