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カテゴリ「メッシー・ストーリー」の45件の記事 Feed

2020年3月31日 (火)

野球部マネージャーの根性…ストーリー公開

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 大学の野球部マネージャーである絵里子は、就職活動の合間に部の活動の精力的にこなしている。大学4年生として後輩の育成、監督などもしなくてはならないので責任ある立場でもある。
 今日は女子マネージャー達の女子会が催されることになっていた。

 女子会という事で絵里子はじめ参加者達は普段の部活動の際のジャージ姿とはうってかわり、パステルカラーのスーツやかわいい私服姿だ。絵里子は淡いピンク色のタイトスカートスーツ姿だ。
 ここ最近は黒のリクルートスーツを着る機会が多いが、明るくい色の服装で気分も明るくなり、ウキウキ気分で女子会に参加した。

 女子会のあとは、通常通りの活動があるのだが、絵里子はうっかり気が緩んでいたのか、そのことを忘れていた。部室のロッカーに私服一式があることを思い出したが、それはお気に入りのものだったし、部活動で着用するにはデザインが不適切ともいえた。
 そのまま適当な口実を見つけて今日の部活動を休むことも選択肢にはあったはずだが、責任感のある絵里子はスーツ姿のまま部活動をおこうことにした。よりによって今日は後輩へのボール拭き指導の当番日だった・・・。 

 絵里子はしかたなく女子会で着ていたスーツを着たまま後輩へのボール拭き指導が行われる女子マネージャー専用の浴室に向かった。
 ボール拭き指導とは、雨上がりのグラウンドなどで野球部員が練習する際に泥で汚れたボールを短時間ですぐに綺麗にしてボール入れに置いておくということを室内で練習するということである。場所は女子マネ専用の浴室で行うことが習慣化されていた。ちょっと広めの浴室なので、その床に即席で人工的にぬかるみを作って、その泥をボールをたっぷり付けて、泥で汚れたボールを着ている服でふきとるのだ。
 女子マネージャー達は常に手ぬぐいなどを持っているわけではないので、着ている服(大抵はジャージである)で躊躇なくふき取ることができるように日ごろから練習することになっているのだ。
 こうした練習まで律儀に行っているところは世界広しと言えども、絵里子が属す野球部くらいかもしれない。しかし、この練習が伝統的に続いているので、女子マネージャー達は粛々と文句も言わずに実行している。諦念からではなく、彼女たちはどこか泥だらけになることを楽しんでいるというふしがあった。

 絵里子は、指導場所である女子マネージャー専用の浴室にいくと用意されていた人工のぬかるみの上でボール拭きを後輩女子マネージャーの前で実践した。
 泥だらけのボールを、淡いピンク色のスーツで何度も拭きとり綺麗にしていく。最初のうちはスカートで泥をふき取っていたが、スカートは泥だらけにふき取る場所が無くなってきたので、ジャケットや、ブラウスなども使ってボールをふき取る。
 その後、後輩の前で一面泥だらけの床の上にうつ伏せになってみせた。これは、春や夏の大会の後に行われる打ち上げの際に、グラウンドに水を撒いて泥でグチャグチャにして、みんなでヘッドスライディングをする恒例イベントの練習という意味もある。こうしたイベントの練習も本番で抵抗なくできるようにしておくために新入生はじめ低学年の女子たちに教えておくことも4年生の女子マネージャーの大事な役割であった。

 こうした一連の練習を通して、野球部の女子マネージャー達は服のまま泥だらけになることに対して免疫ができるだけでなく、むしろ、楽しむという域にまで達するのであった。
 絵里子も今、後輩の前では指導という名目上、真面目な顔をして泥だらけになっているが、スーツ姿で泥だらけになることが初めてということもあり、ある意味では非日常的な行為を心から楽しんでいた。

2020年3月15日 (日)

面接で特技披露…ストーリー公開

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 絵里子は、大学の野球部マネージャーとして日々忙しい毎日を送っている。4年生となった今は、就職活動や卒業論文の制作などで忙しさに拍車がかかっている。

 今日はどうしても入社したい会社の実技面接の日であった。絵里子は会話形式の面接はすでにパスしていた。絵里子は志望する会社の選考はユニークで、最終面接までたどり着いた志願者はリクルートスーツ姿のまま何らかの「実技面接」を受けることで内定か否かが決まるのであった。
 普通の面接ではないので、実技の実施場所は社内であればどこの場所を指定しても良いという条件があった。つまり、実施する内容によっては、会社のエントランスでも、屋上でも、給湯室でも、階段でもどこでも良いということだ。

 実技なので学問的な得意分野の開陳では意味がない。マジックをしたり、踊りながら歌ってみたり、素早い運動能力を披露したりというように、身体的な動きを伴うことが必須となる。
 例年インパクトのある特技を面接官の前で実施したものは内定が確実になるということを絵里子はOG訪問の際に知らされていた。踊りながら歌ったり、マジックを披露したり、アクロバティックな体操をしたりした者もいたらしいが、だからといって内定をもらったわけではないらしい。

 「(インパクトのあることって、どんなのがあるかな・・・)」
 実技面接当日の朝になっても、絵里子はまだ悩んでいた。
 ふと、OG訪問の際、一昨年この会社に入社した絵里子の先輩である女性から聞いた話を思い出した。
 「この会社で夜勤の人が使うバスルームがあるんだけど、私はね、そのバスタブにお湯をためてリクルートスーツのまま2分間、仰向けの状態で潜水して内定を勝ち取ったわ。2分間息もせずに潜水したことも衝撃を与えたようだけど、リクルートスーツのままやったことが面接官にかなりのインパクトを与えたのかもね・・・。」

 その先輩の話をヒントにして絵里子が思いついたことは、「クリームまみれ遊び」だった。特技とはいいがたかったが、インパクトを与えるという意味では申し分ないように思えた。
 野球部マネジャーである絵里子は、女子マネジャーの正装であるスーツ姿のまま雨に打たれたり、泥濘の中で道具を片付けたりする際にスーツが泥で汚れることが多々あった。そんな時に、絵里子は、スーツのまま思いっきり汚れてみたい・・・・という不思議な願望が生じて、それをいつか実践してみたいと密かに考えていたのであった。
 この願望を実現させるには、今日の実技面接がもってこいの場だと考えたのだ。黒のリクルートスーツを真っ白に汚して面接官をびっくりさせようともくろんだ。帰りはクリームまみれになったスーツを洗い流して、ずぶ濡れ状態のまま帰る覚悟でいた。それで内定を確実にできるのであれば、喜んでやってみたいと思った。

 実技面接までに時間的余裕をもって、途中、スーパーに寄った。そして、大きな生クリームパックを何個が購入した。レジのおばさんが丁寧に梱包している様子を見ていると、絵里子は自然と笑みがこぼれそうになり、それを押し隠すために腕を口元に充てた。
 すると、ドライクリーニング特有の溶剤らしき匂いが鼻を突いた。そのことは、絵里子が着ているリクルートスーツがクリーニングしたばかりであることを物語っていた。

 「(このスーツ・・・、クリームで真っ白に汚れて・・・その後、洗ってびしょびしょになるんだよね・・・。)」
 絵里子は、この後行われる実技面接のことを考えると急に胸が高鳴った。

2020年2月12日 (水)

泥だらけの探索…ストーリー公開

〇現在・会社の休耕田で

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 濃紺のベストにタイトスカートという会社の制服姿の絵里子。某不動産会社に勤務し始めて数ヶ月が経つ。
 開発予定の土地である「あの休
耕田」に見学にきたお客さんが、見学の際に田んぼの中に自転車のカギを落としてしまったらしく、それを探しに絵里子は制服のままスーツ姿の同期の男性と一緒に休耕田の脇に立っている。
 「(ほんと、私って・・・)この田んぼに縁があるんだな~~。」
 「えっ、なに?どうしたの?」
 「(あっ!)何でもないの。いや・・・話すと長くなるから・・・今度ね。」

回想・最終面接
 「あっ、ちょっと・・・青野絵里子さん、あなたのことは色々と聞いておりますよ。弊社の休耕田で何度も泥んこ遊びしたらしいですね。今日はその田んぼを使ってイベントだとか。」
 「はい、田んぼお借りします。ありがとうございます。」
 「今日でリクルートスーツは着る必要はなくなりますから、大学時代の思い出として、そのスーツでイベントに参加してみてはいかがですか?」
 「(えっ・・・?)」
 「いや、冗談ですよ。(笑)スーツのままではさすがにできませんよね。それでは面接ご苦労様でした。」
 「(・・・?)ありがとうございました。」


〇回想・内定式後に会社の廊下で

 「青野さんだよね?あの日もリクルートスーツのまま田んぼに入って泥だらけになるとは大胆でしたね。君のようなガッツある人材がうちには必要でね・・・。」
 最終面接を担当した役員だった。

 「(・・・!!!)あっ、先日は最終面接ありがとうございました。御社で頑張らせていただけることになり光栄です。よろしくお願い致します!会社でも泥だらけになってでも頑張ります!(笑)」
 「(笑)面白いこと言うね。君なら何があってもガッツで乗り切れると信じていますよ。内定おめでとう!」
 役員は微笑みながら絵里子の真新しいリクルートスーツを一瞥すると急ぎ足で絵里子の視界から消えていったのであった。役員の後ろポケットからは、水色のハンカチが無造作に出ていた。何かのマークらしきものが刺繍されていた。
 絵里子は花火の形の刺繍かと思ったが、すぐさま、違うと判断することができた。花火のような線の外側に白い花びららしきものが六枚あるのを確認できたからだ。すると、それは「クスの花」を表しているのだと気が付いた。大学時代、生物学科だった絵里子は動植物には人一倍詳しかった。
 しかし、役員さんが何でクスの花のマークのついたハンカチを持っているのか分からなかった。何かの趣味同好会のシンボルマークなのか、さては会社のロゴマークなのか・・・その程度に考えていた。



〇現在・会社の休耕田で

 会社の夏服制服は紺色のベストにタイトスカートという地味なコーディネイトだ。休耕田の前で男性の同僚と一緒に立っている。
 「まじかよ、まさかこんな田んぼだとは思わなかったよ。こんなところで自転車のカギなんて普通落とさないだろ!それはそうと、課長もちゃんと説明しろよな!だからあいつダメんなだよ。まったく!これじゃ、一度会社に戻って、ジャージに着替えてこないといけないじゃないかよ!」
 先輩社員の前ではおとなしい男子社員は絵里子の前では同期だからということもあるのだろう、屈託なく言葉を選ばずに不満をぶちまけている。その言動が絵里子との心的距離感も感じさせていた。
 「ほんと、そうよね。でも会社に戻って着替えたりしたら時間もったいないじゃない。」
 「それはそうだけど、俺たちこの恰好じゃ・・・」
 「いいの、わたし、制服のまま探すから。あなたはスーツ汚れるの嫌でしょ。そこで待っててくれればいいわ。」
 「青野さん・・・こんな田んぼの中で転んだりでもしたら大変だよ!」
 「そんなことわかってるわ。転ばないように気を付ければいいんだから。大丈夫よ。まってて。」
 絵里子はパンプスを脱ぎ、長袖のブラウスが汚れないように腕まくりをすると会社の制服のままためらいもなく休耕田の中へと入っていった。
 絵里子にとっては、何度もリクルートスーツ姿で泥だらけになった場所なので、服のまま田んぼの中に入ることに対して、これといって違和感はなかった。しかし、同期の男性社員は、不安げに、まるで罰ゲームを受ける同僚女子社員を憐みの表情で見ているかのようであった。

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 土地の見学にきた人は、長靴を履いてちょっとだけ休耕田の中に入っとのことだ。せいぜい数メートル程度田んぼの中に入って、泥の深さや地盤の質を確認しただけだろう、と、おおよその目安をつけ、絵里子は田んぼの脇から2~3メートル程度のところを隈なく集中的に探し始めた。
 「制服汚れないように注意してね。カギ、ただ落ちただけならいいけど、泥の中に落ちた時にお客さんが足で踏んづけたりでもしていたら奥の方に埋まってしまっているよね。そうだとしたら大変だな。」
 「そうでないことを祈るわ。」
 絵里子は、制服を汚さないように、カギを探索している。さすがに泥の奥底まで手を入れると大変なので、泥の表面部分だけを探していた。しかし、やはりカギは泥の奥底に埋まってしまったのだろうか。お客さんの記憶による情報を頼りに、絵里子は疑わしい場所を念入りに探しているが、なかなか見つからない。

 さすがの絵里子もだんだん苛立ってきた。
 「このままじゃ、帰れないよ。どこにあるんだろう。」
 同僚は返事をするのも億劫らしくだまって絵里子の歩いている方向に向かって田んぼの脇を並行して歩きながら紺の制服を見つめている。
 その時だった。絵里子は長らく歩きづらい田んぼの中で中腰でいたからであろうか、体勢を崩してしりもちをついてしまった。下半身が泥の中に埋まってしまった。同僚にとっては衝撃的な光景であった。

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 絵里子は一瞬
 「(やっちゃった!)」
 と思ったが、すぐに懐かしい泥の感触を身体が思い出した。このまま全身泥の中に埋もれたい衝動に駆られた。一人だったら、間違いなくそうするのであるが、今は同僚と一緒だ。しかも、お客さんのカギを探しにきている。カギを探しだして早く会社に戻ってお客さんにカギを渡さなくてはならない。
 今、ここで、自分の欲求を満たすために、同僚の前で田んぼの中でうつぶせになったり仰向けになったりして、制服を泥だらけにして遊ぶことはどう考えても、狂気の沙汰であった。
 しかし、絵里子は泥だらけになる快感を思い出し、泥に埋もれたい欲求を我慢できずにいることも嘘偽りない真実であった。徐々に大胆に制服に泥ハネがとぶように、また、何度も足をとられてしりもちをしたり、泥の奥底に手を入れてブラウスの裾までも汚し始めた。
 これはまだ序章に過ぎなかった。

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 絵里子には今、二つのミッションが存在していた。それはカギを探しだすことと、同僚の前で自然な形で全身泥まみれになることだった。
 二つ目のミッションは普通に考えれば遂行しがたいものであるが、しりもちでスカートが泥だらけになっていることは、絵里子を勇気づけた。
 「青野さん、だいじょうぶ?俺も、探すよ・・・」
 「いいの。こないで。スーツ汚れたら大変でしょ。私は会社の制服だし、帰りは通勤のスーツが会社にあるから。それで帰れば大丈夫だし。もうこれだけ制服汚れちゃったから、気にせずカギ探せる。(笑)」
 「(笑)それはそうだね・・・。悪いね、青野さんに任せるから!会社に戻ったら総務部の同期のやつに、新しい制服をすぐ青野さんに支給するように俺から頼んでおくから。」
 「総務部に友達いるの?それは心強いわ!」
 すると絵里子は、スイッチが入った。
 カギを探す体勢としては不自然なほどに前かがみになり、お腹や胸を田んぼの中に沈めていく。そして、泥の奥底に手を入れてかき混ぜて、カギが埋まっていないかと探しだそうとする、むろん見つかるはずがない。
 「青野さん・・・何してるの?そんなところでカギ見つかるわけないよ。もっと、こっちの方じゃないの?」

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 うつ伏せになり匍匐全して同僚が指さした方へと移動する。その様子を見て、彼は、非日常的光景・・・異常ともいえる光景が目の前で繰り広げられていることをただ呆然と眺めているようであった。すくなくても絵里子は彼の表情をそう読み取った。
 否。
 彼は、自分がいつか目の前で観たいと思っていた光景をついに目撃した興奮、歓喜の思いが表情に出ること隠し無表情を装っているのであった。そして、興味本位に絵里子に素朴な質問を投げかけた。
 「青野さんって・・・そういうの好きなの?」
 「そういうのって?」
 「なんていうのかな・・・。泥んこ遊びしたりするの。ネットでなんか、そんなことをしたり、見たりするのが好きな人がいるって書いてあってさ。そういう写真とか動画とかもあって販売もされてたりするんだよね。俺も何度かそういうの見ているとなんか不思議な気分になってきてさ・・・」
 絵里子は彼の言葉をさえぎった。
 「あのね、私は、就活中に、ここで、何度も、リクルートスーツ姿で泥だらけになってしまったの。それも偶然というか・・・、必然というか・・・どうしてなのか自分でもよく分からないの。何かに導かれているような・・・。それで、いつしか、リクルートスーツのような普通は汚しちゃいけないような服のまま泥だらけになることに快感を覚えるようになってしまったの・・・。」
 「青野さん。(笑)・・・」
 「表情をみればわかるわ。こういうの見たかったんでしょ?」
 そういうと絵里子は、さらに大胆に泥んこ遊びをしてみせた。休耕田の中でためらいもなく仰向けになった。制服は前も後ろも泥だらけ。ベストの下の純白のブラウスも泥で茶色に染まっていた。
 「青野さん、カギも探さないと!」
 「ちゃんと探しているわよ!」
 「そろそろ本気で探さないとやばいよ。」
 「見つからなかったら、制服泥だらけになるまでがんばって探したけど見つかりませんでした、と報告すれば納得してくれるかな?(笑)」
 「いや、それは分からないけど。(笑)」
 「でも、見つかりそうな雰囲気ないよ~。」
 「諦める?」
 「もうちょっと、この辺を探してみようか・・・」
 そういうと絵里子は体を泥の中に埋めると両手を広げてカギらしき感触がないか確かめる!

 奇跡というのは、何気ない、ふとした拍子に生じる事が多々あるものだ。
 見つからないと諦めていたカギが、どこからともなく泥の中の絵里子の手の中に現れた・・・。絵里子の根性に対して神様が気まぐれに与えたご褒美ともいえた。絵里子の泥だらけの探索は終わった。

 「見つかったよ~!」
 今日一番の笑顔で彼の方に向かって歩いていった。

2019年11月20日 (水)

泥田で体力作り…ストーリー公開

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 絵里子は某不動産会社への最終面接を間近に控えていたが相変わらず忙しい毎日を過ごしていた。大学の授業にアルバイト、卒業論文の作成準備、夏の大会に向けたソフトボール部の練習など、並みの女子学生では音を上げてしまうほどのハードスケジュールであった。

 そんなある日、絵里子を含む女子ソフトボール部4年生たちは恒例イベントの企画ミーティングに参加していた。そのイベントとは、卒業を控える4年生たちが最後の夏の大会前に、大学キャンパス内にあるグラウンドに大量の水を撒いてぬかるみにし、その中でユニフォーム姿で泥だらけになりながら体力作りをするというものだ。
 ぬかるみの中で裸足で腕立てや腹筋、背筋はもちろんのこと、ランニングやビーチバレーなどを行う。そうすることで足腰も鍛えられ、滑って転ばないようにという意識も働くことから体幹も鍛えられるというわけだ。たとえ転んだとしても、ぬかるみの中なので怪我をすることはない。ユニーフォームが泥だらけになるだけだ。そんなことが女子ソフトボール部4年生の伝統行事になっていた。

 しかし、部長でもある絵里子はある提案をした。
 「みんな、最近私ね、イベントやるのにうってつけの場所みつけちゃったんだ。今年はそこでやろうと思うの。場所はね・・・。(略)・・・実はこんど最終面接をする不動産会社が所有している休耕田なんだけど、そこを使わせてもらう許可をとったの。

 ミーティングが行われている部室内がどよめいた。しかし、それは絵里子の提案に対する否定ではなく、好奇心からであった。
絵里子の提案は満場一致で決まった。

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 絵里子は前回の面接の最中に、ひょんな会話の流れから休耕田の所有者が不動産会社のものだという事実を知ったのであった。
 驚いた絵里子は、何と、人事部の面接官に対して、休耕田で2回もスーツ姿で泥だらけになった経験をカミングアウトしていたのだ。そして、ソフトボール部の恒例行事で使用しても良いかどうかの直談判までしていた。当然、泥んこ遊び用に一般に開放しているくらいなので面接官の回答はYESであった。

 イベント当日、絵里子は運命の不動産会社の最終面接だった。面接の手ごたえはよかった。内定を獲得する自信があった。それは、絵里子が面接会場を出るとき、最終面接を担当した役員との次のような会話からであった。
 「あっ、ちょっと・・・青野絵里子さん、あなたのことは色々と聞いておりますよ。弊社の休耕田で何度も泥んこ遊びしたらしいですね。今日はその田んぼを使ってイベントだとか。」
 「はい、田んぼお借りします。ありがとうございます。」
 「今日でリクルートスーツは着る必要はなくなりますから、大学時代の思い出として、そのスーツでイベントに参加してみてはいかがですか?」
 「(えっ・・・?)」
 「いや、冗談ですよ。(笑)スーツのままではさすがにできませんよね。それでは面接ご苦労様でした。」
 「(・・・?)ありがとうございました。」
 絵里子はわずか数十秒のこのやり取りで胸の鼓動が一瞬大きくなると同時に、内定を確信したのであった。

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 部の恒例イベントは午後3時から始まる予定だった。部長である絵里子の裁量で面接後、自宅に戻って着替えてくる時間を考慮して数日前に段取りを決めたのであった。
 イベントに参加するための服として用意してある上下白の練習用ユニフォームを取りに自宅に戻るはずであったが、面接開始時間が遅れたせいもあり自宅に戻ってからでは集合時間に間に合いそうにない。イベント開始時間をもう少し遅くからにすればよかったと後悔したが、今となっては手遅れだ。
 責任感の強い絵里子は、部長である自分が遅刻するわけにはいかず、やるしかないと思った。リクルートスーツ姿のまま休耕田へ向かう決意をした。

 「(あの休耕田と私って何か因縁があるのかな・・・。
)」
 絵里子は目に見えない何らかの力によって目の前にレールが敷かれていくような感覚に陥った。いつもなぜかあの休耕田へと辿り着くからだ。むろん、潜在意識が顕在化しているとも言えるが、そんなことではなく、何かが自分の背後から糸を引いているように感じるのであった。

 絵里子は歩きながら見納めとなるであろうリクルートスーツに視線を落とすのであった。

2019年10月 8日 (火)

就活の合間に泥んこ遊び…ストーリー公開

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 絵里子の目の前には休耕田が広がっている。ここは、この前、面接の帰りに卒業研究で使う生物を捕獲して泥だらけになってしまった場所だ。あの日、リクルートスーツのまま泥だらけになってしまった時の感覚が忘れられなかった。
 普段、リクルートスーツを着ている時は、泥などで汚れるのはもちろんのこと、雨で濡れたりしないようとスーツを綺麗に保つことに細心の注意を払うものである。しかし、だからこそ、自らの意志で濡れたり汚れたりするという非日常性に絵里子は引きつけられるのであった。この前、休耕田で泥だらけになってしまって以来、普段汚してはいけない服の代表格でもあるスーツを着たまま泥んこ遊びをすることに目覚めてしまったのだった。

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 この前、泥だらけにしてしまったリクルートスーツは自宅で丸洗いし、洗濯機で脱水し乾燥させた後、皺だらけのスーツをなんとか伸ばしてからクリーニングに出した。何とか就職活動で再び着ることができる状態に復活させたばかりであった。
 今、絵里子は、休耕田の前に立っているが、そのリクルートスーツではなく、なんとオフホワイトに近い色合いのベージュのスーツを着ている。このスーツは大学入学時に姉からもらったものだ。姉はすでに社会人だったが、もう着る機会がないからということで黒やチャコール色のリクルートスーツを含め、何着かスーツをもらってきたのであった。ベージュのスーツなんて
大学在学時に着る機会はないだろうと思っていたが、まさか、こんな時に着るときになるとは・・・・と不思議な気分であった。

 ゆっくりと田んぼの中に入っていく。パンプスは数歩足を踏み入れただけで泥にはまって脱げてしまうことは経験済だったので、脱いでパンストのみ穿いた状態で田んぼの中に入っていった。夏の炎天下、スーツ姿で田んぼの中に入っている光景は傍から見れば不自然なものに違いなかった。周囲には人が寄り付く気配はなく、気兼ねなく泥んこ遊びに興じることができる環境だった。
 まずは、粘着度の高い泥の上にお尻を着いて座ってみた。何度も何度も上下運動をして泥をスカートのお尻部分に着けるようにしたり、いざってみたりした。自分では確認することができないが、泥でスカートのお尻部分が大変なことになっているだろうことを考えると絵里子は気持ちよくなった。

 「(・・・お姉ちゃん、ごめんね。こんなことしちゃって・・・。)」
 姉が通勤時に何度か着用したと思われるベージュのスーツは泥まみれになる序章を終え、第二幕へと導かれるのであった。

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 絵里子は童心に戻った気分に浸り、少女時代に泥んこ遊びをした感覚を思い出しながら泥を手ですくって、田んぼの中で座り込んだままスカートの前面やジャケットに塗りたぐっていった。
 そして、気持ちを抑えきれなくなり、田んぼの上にうつ伏せになって泥に身体をあずけた。生温かくドロドロした感触がスーツ越しに伝わってくる。スーツを泥だらけにするという行為の代償に、天然のマッサージが絵里子の全身を気持ちよく癒してくれた。


 スーツの前面は泥だらけになっていたが、背中はまだ汚れていないであろうことが理子には分かっていた。どうせならスーツ全体を泥でコーティングしたいと思い、泥の中で仰向けになったりうつ伏せになったりを繰り返していった。
 そして、水と泥がちょうどよく混ざり合った部分を見つけ、人間ムツゴロウになって這いながら進んだ。スーツは泥が付着したというよりも、泥と同化したような状態になっていた。そして、さらに激しく、大胆に泥の中で遊んでいるうちにスーツはもうジャケットとスカートの境目が分からないほどになっていた。

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 泥だらけになることが・・・それもスーツのように普段、汚さないように注意して着るはずの服で泥んこ遊びをすることが、こんなにも気持ち良いものなのだと絵里子は心の奥底から感じた。
 この前、生物の捕獲で泥だらけになったのは、あくまでも結果的に泥だらけになった。それでも、いけないことをしてしまったという背徳感とそれを打ち消すほどの泥だらけの自分の姿に対する不思議な満足感があった。
 しかし、今日は、泥だらけになるためだけにスーツ姿でこの場所に来たのであった。絵里子の心に芽生え始めていた「泥だらけになること」に対する幸福感は強固なものになった。

 日が暮れ始めていたので帰り支度をしようと、未練ある泥田に別れの「全身ボディタッチ」をした。そして、田んぼの脇にある水道場でスーツにホースの水を勢いよくかけて泥を洗い流した。泥の塊は落ちるが、スーツの生地に染み込んだ汚れはかなりのものでいくら洗っても色が落ちない。オフホワイトに近いベージュ色だった生地が薄茶色になってしまった。
 一通り洗い終えるとジャケットを脱ぎブラウスの汚れもある程度落とし、歩いて帰りの途についた。絵里子は、また機会を見て泥んこ遊びをしにこようと思うのであった。

2019年9月16日 (月)

クリームまみれクリニック…ストーリー公開

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 絵里子は、幼稚園への就職内定を目標にし、就職活動で忙しい毎日を送っている。ストレスもたまる一方だった。このままでは精神的にまいってしまう・・・と自覚症状があるうちに、なんらかの心療的な措置をしないとならないと思っていた。

 そんな時、面白そうな心療内科クリニックの存在を知った。それは、なんと「クリームまみれクリニック」だった。
 嘘か本当か分からないが、そのクリニックの特徴は、その名の通りクリームまみれになることでストレスを軽減させ、心をリフレッシュさせることで心身ともに健康状態を取り戻すということであった。絵里子は興味を持ち、明日の面接の帰りに行ってみようと早速予約をした。このクリニックのウェブサイトには次のような文章が掲載されていた。

 -----たいていの病気は「気のやまい」なのです。あなたの心身に生じている事象を既存の病気の症状に当てはめ解釈する事によって病気というものが成立してしまうのです。しかし、当クリニックでは「クリーム施術」によって「気のやまい」を根本から癒し、心身の健康状態を取り戻そうという・・・・
・中略・・・・・尚、施術を受けるにあたってはかならず着替えを持ってきてください。その理由は・・・・・云々。」-----
 

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 絵里子は、翌日、予定通り面接の帰りにクリニックに行った。面接で着ていた黒のオーソドックスな2釦のリクルートスーツ姿だ。絵里子は「クリーム施術」の趣旨はしっかり理解していたので、リクルートスーツのままクリームまみれになることは織り込み済であった。
 担当の医師が現れると何やら簡単な説明を受ける。担当医いわく、汚してはいけない服を着てもらい、あえてその恰好でクリームまみれになる非日常性を体験することが大切なのだという。このことによって、困難を乗り越えていくことの疑似体験をし精神力を高め、クリームまみれになるという行為によりアドレナリンの分泌を促し、癒し効果を得られるとのことだ。

 絵里子は、クリニック内にあるいくつかの浴室の一つに通される。そこで生クリームの入った大きな袋をいくつか渡され、それを自分で自由に身体に塗り手繰っていくようにと指示を受ける。身体とは言っても、「今着ている服のまま」クリームまみれになることがこの施術の肝だ。
 先ほどまで面接で着ていた黒のリクルートスーツはタイトスカートのお尻部分に若干の座り皺ができているが、他には皺も汚れもなく綺麗だった。そんなリクルートスーツをクリームで真っ白に汚していくことを思うと、絵里子はなんか不思議な気分になった。同時に、何とも言えないドキドキ感が心の奥底から沸いてきた、
 心臓の鼓動が激しくなり、アドレナリンが大量に分泌されているのをはっきりと感じていた。

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 絵里子は床にお尻をつけ壁に背中をもたせかけた。そして、医師から「処方された生クリーム」をまずはパンプスや脚にかけていく。次にタイトスカートにかけていき手を使ってクリームを広げていく。
 医師からもっと大胆にという助言をうけると、絵里子は生クリームの袋を頭の上にもっていき、勢いよく袋を絞った。ボタボタト髪の毛やジャケット、スカートにクリームが落ちていく。髪の毛はもちろん、顔もジャケットもスカートもクリームでコーティングしていった。先ほどまで開襟の部分だけが白であったスーツ姿が今は全身白づくめだ。
 最後の仕上げとして粒状の五色スプレーをかけ「人間ケーキ」になった気分に浸って施術は終了した。

 さて、ここからも大変だ。真っ白に汚れたリクルートスーツをシャワーで洗い流していく。水をかけた部分が一瞬にして真っ黒になり、まだクリームで汚れている部分とのコントラストが美しかった。
 絵里子はクリームで汚れた髪や顔、ジャケットやスカート、パンプス・・・と全身を綺麗に洗い流していくのにかなり時間を要したが、この行為も非日常的なことで不思議な感覚を抱いた。

 汚れを落とし終わると、全身ずぶ濡れのリクルートスーツ姿の絵里子はすがすがしい表情で担当医にお礼を言うと浴室を後にした・・・。

2019年8月28日 (水)

泥まみれの卒業研究…ストーリー公開

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 よく晴れた昼下がり、絵理子はリクルートスーツを着てとある地方の田園地帯を歩いている。就職活動の面接帰りである。


 ・・・高校までは両親と姉と一緒に東京で暮らしていたが、今は地方のある私立大学の近くに下宿している。というのも絵理子は幼い時から喘息もちで、医者が言うには一番の薬は「綺麗な空気」ということだったが都内に城を構え、生活の基盤を置いている家族にとって、自然豊かな地方移住はすぐには難しかったからだ。
 
 そんなこともあり、絵里子は大学進学する際は地方の大学に行こうと決めていたのだった。今や生物学科の4年生となり両生類を研究している「リケジョ女子大生」である。地方に来てからというもの喘息が嘘のように治った。
 喘息がなくなり体調の不安がなくなった絵里子は心身ともに元気になり、明るく活発な女子学生としてキャンパスライフを送り、部活動は女子ソフトボール部に属していた。今、この瞬間は大学卒業研究の準備と就職活動で忙しかった。
 就職先に関しては、住み慣れたこの田舎町で・・・喘息から解放されたこの地域で・・・と決めている。また都会に戻ると喘息が復活してしまう不安もあったからだ。理系に属しているもののそれを活かした就職先というこだわりはなく、自分の体のことを最優先に自然豊かなこの地域で就職できさえすれば業種も職種も何でもよいと思っている。人手不足の地方での就職なのですぐに決まるだろうと楽観的に考えていた。

 入学してからこの方、大学では両生類の研究に没頭していた。
 しかし、研究の成果が芳しくなく、研究に必要な生物を中々捕獲できないでいた。このままでは卒業研究が遅れてしまい、卒論も書けず、挙句の果てには留年となって卒業できないかもしれない。
 普段、研究材料を捕獲しに行くときはフィールドワークで野山や田園を歩き回るため動きやすく汚れてもいいようにジャージなどの服装が常だった絵理子にとってリクルートスーツの窮屈さは不快だった。

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 そして今日、とある会社の面接帰り、絵里子は就活のことよりも遅れている卒業研究のことで頭をいっぱいにしながら歩いていた。しばらく見慣れた田園地帯を左右に見ながら小道を歩き続ける。キャンパスまでは歩いて10分くらいの場所だ。
 ここ数日間の面接は緊張の連続で疲労が溜まっていたが、フィールドワークでよく訪れている田園風景を眺めて肩の力が抜ける感覚であった。稲が青々と育つ田んぼを眺めつつ散歩感覚で歩いていると作物が植えられていない休耕田に出くわした。休耕田とはいえ、管理がしっかり行き届いて、あまり草が生えていない。遊び場として開放されているので、この辺りでは「泥んこ遊び場」として知られていた。水道や洗い場も完備されていた。人が出入りする休耕田なので生物はそれほどいないだろうと絵里子はノーマークの田んぼだった。

 しかし、たまたま何気なく休耕田の中に目をやると田んぼ中でなにやら生物がいるのが目に飛び込んだ。
 「まさか!」
 と絵里子は思った。反射的に体が動いていた。フィールドワークの時と同じように今自分がリクルートスーツ姿であることを忘れ、「捕獲モード」にスイッチが入っていた。肩にかけていたカバンを投げ捨てると躊躇なくパンプスのまま田んぼに飛び込んでいた。
 泥の飛沫があがりタイトスカートに泥がつくのも構わず進もうとするも柔らかい泥にパンプスが埋まり数歩も進まぬうち立ち往生してしまう。絵理子はパンプスを脱ぎ捨て、先ほど生物が動いたと思われる方に向かって進んでいく。歩きながら左右を見まわし生物がいないかどうか探す。

 さらに田んぼの奥の方へと足を進めると目標の生物まであと一歩と迫った。絵理子は息を整えると一気に飛び掛かり両手で生物を掴む。
 うまく捕獲できたが、その代償としてリクルートスーツの前面は泥だらけになってしまった。しかし、絵里子はスーツが汚れてしまったことなどどうでもよかった。生物を捕獲できたことが何よりも今は嬉しかった。
 もっと生物を探そうと田んぼの中を歩き回るがさすがに疲れ、泥の中に座り込んでしまう。すでにスーツは泥だらけなので気にならなかった。休みながらもあたりをキョロキョロしながら生物を探す。トンボやカエルなどには目もくれず珍しい生物を探していた。

Dm17as3

 また向こうの方で何かが動くのに気がついたので急いで立ち上がり移動した。移動中に足をとられて何度も転んでリクルートスーツはさらに泥で汚れていく。
 動きやすくなるために絵里子はジャケットを脱ぎ、無造作に泥の上に放り投げる。そして、また生物を探し回る。しばらくすると、また珍しい生物が目に入ったのか、そちらの方に向かって走っていき飛び込んだ。
 「バチャーン」と泥の飛沫が上がる。絵理子は泥の海にうつ伏せで横たわってしまった。今朝、初めて袖を通したばかりの新品の純白のブラウスも泥で茶色に染まってしまった。
 全身泥まみれのまま畦道に戻った絵理子は田んぼの脇の畦道に座り込んだ。一息つくと泥まみれのリクルートスーツが頭を過った。首から上を除いて全身泥まみれのうえにブラウスの袖やタイトスカートの裾からは泥が垂れていた。
 
 泥だらけの自分の姿を見て子供のころのことを思い出した。
 ・・・お姉ちゃんと一緒に近くの公園で泥んこ遊びをしたことだった・・。

 すると、絵里子は童心に戻って泥んこ遊びに興じた。スカートとブラウスは前も後ろも泥だらけで、元々どのような状態だったのか、ブラウスとタイトスカートの境目が分からないほどだ。
 ぬるぬると生あたたかい泥の感触が気持ちよく絵里子は泥の中で何度も寝転がったり、うつ伏せになって這ったりした。時間を忘れて泥んこ遊びをしていると、日が暮れ始めていた。気温もやや涼しくなってきていた。


Dm17as4

 絵里子は先ほど脱ぎ捨てたジャケットやパンプスを田んぼの中から回収すると、田んぼの脇の水場に行って必死になって泥を流した。いくら流しても出てくる泥に手間取りながら表面の泥をある程度洗い流すことができた。
 自宅まで歩いてもそう遠くはないし、この田舎町なのでそう多くの人に自分の姿を見られることもない。

 卒業研究の材料としては十分な生物というお土産を片手に絵理子は足取りも軽く自宅へと歩いて行った・・・。

2019年8月 6日 (火)

過酷な面接特訓…ストーリー公開

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 保育士資格を保有している絵里子は、大学卒業後に幼稚園で子供たちの面倒を見ながら過ごすことを夢見ていた。
 自分が幼稚園の時、当時は保母さん(現在は保育士)というお姉さんがいて、夏はプールで水遊びしたり、畑で芋掘りをして泥だらけになって遊んでくれたりと大人になった今ではなかなか体験できない思い出がいっぱいある。自分も昔お世話になったお姉さんのようになって幼児達と一緒に泥だらけになって遊びたいという不思議な願望を持っていた。

 幼稚園の面接は意外にも難関ということでしられている。その難関を乗り越えていくことは当然のハードルであり、配属後には幼児達やその父母達を相手に日々過ごさなくてはならないため強靭な精神力が求められる。物わかりの良い悪いにかかわらず大人を相手にするよりも子供を相手にする方がはるかに難しいことを絵里子は経験的に習得していた。
 幼児相手なので、いつどのようなことが生じるか分からない緊張感のもとで、時には過保護すぎる親や、モンスターと言われる親たちとも対峙しなくてはならない保育士の採用面接では、圧迫面接やハプニング時の対応を様々な方法で観察することが今や常識となっている。たんに「子供好き」で「優しい」では務まらない仕事である。

Dm16ast1

 そんな状況下、絵里子は、どんな面接にも対応できるようにという思いから、過酷な面接特訓で鍛えてくれるということで有名な某保育士養成所の特別面接特訓に参加することにした。
 参加にあたっては、必ずスーツ一式を予備に(着替えとして)持ってくるように注意が促されているという何とも怪しげな面接特訓だ。泥だんごを作ったり、粘土遊びの模擬面接があるのだろうと推察した。

 絵里子の予想通り特訓場所は浴室であった。今日の特訓面接ではリクルートスーツが2着必要だということが分かっていたので、この日のために1着新調していた。絵里子は、その新調したばかりの黒のリクルートスーツを着て浴室の中で座っている。
 「(ひょっとして水でもかけられるの?)」
 どうやら泥だんご作りではなさそうで、絵里子の予想していなかった展開になりそうで表情が曇る。真新しいリクルートスーツに視線を落とした。

Dm16ast2

 「では、今から面接を始めます。何があっても動じずに受け答えしてください。」
 面接官役の男性がありきたりの質問をし始めた。しかし、ここで重要なのは、質問へ気の利いた言葉を返すことではない。あくまでもこれから起こるであろうことに動じずに対処することだ。質問に応答している最中にどこからともなくクリームがリクルートスーツに向かってぶっかけられていく。
 最初は少しずづ、だんだんと激しさを増していく。クリームに交じって灰色の泥もぶっかけられていく。今朝おろしたばかりのリクルートスーツが台無しだ。

 一通り面接特訓が終わると頭から脚まで真っ白ですごいことになってしまった。早く洗わないとクリームや泥が染みとなってしまう。
 そんな不安の中、幸いにも面接官役の男が頭から水をかけ始める。クリームの一部は洗い流されるが、何度か水を被っても汚れは綺麗にならない。その後は、絵里子自らの手でスーツに付着したクリームや泥を洗い流し、バスタブにも浸かって入念に汚れを落としていく。
 綺麗になったものの全身ずぶ濡れの状態で面接特訓が終了となった、絵里子はこの後の運命を知る由もなかった・・・・。

2019年7月18日 (木)

野球部女子マネージャーへのお祝い?…ストーリー公開

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 某農業大学野球部には毎年恒例の行事がある。男子部員や女子マネジャーたちの間では学年に関係なくこの行事が盛り上がる。なぜならば、最初に内定をもらった男子部員または女子マネージャーに休耕田で手荒いお祝いをするからだ。
 いや、お祝いというよりも、「伝統の恒例行事」という名のもとに内定をもらっていない4年生連中の羨望、僻みを具現化しただけで、何年も前から続いているのだった。

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 今、休耕田の脇で、今年の「犠牲者」となった絵里子は内定を決めた時の黒のリクルートスーツに身を包んで不安げな表情で立っている。才色兼備ということで学内でとおっているだけのことはあり、リクルートスーツをそつなく着こなしていて、またそれが良く似合っている。第一志望の某大手銀行に総合職として内定を得ていた。
 絵里子の着ているリクルートスーツはクリーニングし、少しの間、クローゼットの中にしまっていたのだろう。皺ひとつなくほとんど新品のようで綺麗な状態であった。おそらくは、内定式の際に着ることを前提に保管してあったのだろうが、よりによって泥だらけになるために着用するとは絵里子も想像していなかっただろう。

 いまから始まる毎年恒例の行事はというと、年によって微妙に内容が異なるものの、最終的にはリクルートスーツが泥だらけになるということは間違いのない事である。
 いよいよ、絵里子はパンプスを履いたまま休耕田の中に足を踏み入れる。泥に足をとられて転びそうになるが、なんとかバランスを保ち、部員たちからの最初の「指令」であるボール探しの開始だ。
 絵里子が来る前にキャプテンが休耕田のどこかに硬式ボールを埋めたのだった。それを3分以内に探し当てるというもので、もし時間オーバーしたら、探し当てた後にボールをスーツで拭いて綺麗にしなくてはならない。

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 絵里子はスカートの裾やジャケットの袖が濡れたり汚れたりしないようにしながらボールを探している。当然と言えば当然のことだが、このことが時間を必要以上に消費していた。またたくまに3分が経ち絵里子の運命は早くも確定してしまったが、絵里子はまだそのことを知らない。一心不乱にボールを探している姿がけなげであり、また哀れでもあった。
 やっとのことで探し当てたものの時間オーバーを告げられると、「えー、もうそんな時間たったの?」と不機嫌そうな表情をしてみせるが目が笑っている。昨年までは下級生として先輩たちの運命を観てきたわけだから、最初から自分の運命だって知っていたはずだ。絵里子の表情は演技、そう、それは、部内一の美貌を誇る絵里子の「ぶりっ子」であった。

 約束通り泥で汚れたボールをスーツのスカートにこすりつけて拭く。泥の付着があまりなかったのかスカートは思いのほか汚れなかった。すると、周囲の部員たちが
 「ボールを泥だらけにしてからもう一度スカートで拭いてみて。」
 と注文を出す。スカートだけではボールを綺麗にできずジャケットも使って泥を拭いていく。みるみるうちに先ほどまであれほど綺麗であったリクルートスーツが泥で汚れてしまった。

Dm15b3

 次は泥田で守備練習だ。グローブはさすがに持っていないので、野球部員の守備練習を真似て守備のポーズをするように指令を受ける。激しく動きなら中腰になりお尻を突き出してボールを捕球するようなしぐさをする。タイトスカートのスリットが引き裂かれそうになると同時に、泥ハネが脚やスカートを汚していった。
 守備練習の次はなんと泥田の中でうつぶせになって匍匐前進だ。泥田の中に汚れたリクルートスーツ姿で立っている絵里子に対して、特に4年生男子部員たちの鬼畜な指令が続く。匍匐前進したあとの絵里子は、リクルートスーツの前面が泥ですごいことになっていた。部員たちからの指令はクライマックスを迎えようとしていた。内定を決めた絵里子のリクルートスーツは二度と着る事ができないようになってしまうのであろうか・・・・。泥を手ですくってそれを塗り手繰っていく。

 部員たちからの指令は一通り終了した。用水路で泥を綺麗に洗い流す前に、ひとまず休耕田の中の泥水で大まかに汚れを落としはじめた。泥のかたまりは落ちるが、泥水をかけているのでリクルートスーツ自体は汚れたままである。用水路に向かおうとすると、ダメ押しとばかりにキャプテンからの指令がとぶ。
 「背中がまだきれいだから、そこで仰向けになってみて。」
 「えー、まだやるの!?」
  絵里子は休耕田の中で仰向けになって寝転んでみた。ブラウスの背中に泥水が流れ込んできて一瞬ひんやりした。仰向けの状態でスーツの前面についた汚れが気になったので落としていった。

 しばらくして立ち上がると、
 「最後にランニング!」と黄色い声がした。同じ4年生の女子マネージャーらしかった。
 「もう!いい加減にしてよ!」
 といいながらも絵里子は笑顔で休耕田の中をランニングしはじめるのであった・・・。

2019年4月 6日 (土)

女子サッカー部への入部試験…ストーリー公開

 今春、絵里子は第一志望の女子大学に合格した。サッカー日本代表の応援でよく友達と一緒にスタジアムに足を運ぶほどのサッカー好きであったが、自分でサッカーをプレーしたことはなかった。
 しかし、観るだけではなく、自分でもサッカーをやってみて、もっとサッカーについて知りたいと、大学入学後はサッカー部への入部を決めていた。スポーツ部とはいえ、女子大の部活動だしそれほど厳しくもなく、仲良しサークルのような感じだろうと軽く考えていた。
 

01

 今、絵里子は、女子サッカー部の入部説明会の場にいる。
 とある教室の一角に絵里子を含め5名ほどの新入生がいる。一人はかわいらしいフリルの白いスカートにヘンリーネックのカットソー姿であるが、ほかはジャージやサッカーユニフォームらしきものを着ていた。
 絵里子はと言えば・・・入学式の時に初めてきて、今日が着用2回目という
黒に近い色合いのチャコールグレーのリクルートスーツを着ている。近い将来、就職活動の際にはもちろんのこと、大学生になったら家庭教師のアルバイトをしようと決めていたので、その時にも着用できるようにと、量販店の「リクルートスーツコーナー」で購入したものである。
 今日は、家庭教師センターの登録および面接があったため、リクルートスーツ姿なのであった。その帰りに入部試験に参加すれば効率が良いと考えていたのだが、今となって冷静に考えると、失敗したと思った。
 「(入部試験というからには走ったり、ボールを蹴ったりするのかな?・・・。この恰好だと動きずらいけど何とかなるかな。)」

 教室で4年生の部長から女子サッカー部の年間の活動計画や、日々の練習のことなど一通り説明があった。その後は、何やらキャンパスの裏の休耕田に移動して入部試験があるようであった。
 「(えっ、うそ、そんなこと聞いてないけど・・・。)」
 と絵里子は思った。
 しかし、他の新入生は汚れてもいいような恰好で着替えも持ってきているようであった。先ほど目に入った白のスカート姿の女の子はといえば、女子だけの空間とはいえ人目をはばからずにジャージへと着替え始めている。
 「(なになに、この展開・・・。私だけスーツ姿で浮いてるよ~。着替え持ってないし。・・・っていうか、休耕田で入部試験ってどういうこと?)」
 絵里子は後先のことを考えようとする間もなく、先輩たちに急いで休耕田に移動するように言われる。他の新入生たちからは、
 「何でスーツなの?」
 と尋ねられる。もっともな質問であるが、先輩たちからはなぜか何も言われなかった。スーツのままやれるものならやってみなないという言外に匂わす威圧感を感じた。

02

 休耕田につくと、女子サッカー部のはずなのに、男性が一人いた。どうやら顧問の人らしかった。
 「今日は5人か。みんな頑張ってよ!運動部なのでそれなりに厳しく運動能力などをチェックさせてもらいます!でも一番大事なのはガッツですからね!やる気を重視します!」
 基礎知力のチェック、特に脚力の確認をするとのことだった。休耕田という足場の悪い状況下でどの程度の動きができるのかをチェックするということらしい。

 「ちょっと君からはじめようか。ほかの人は彼女がこれからやることをみて後に続いて下さいね。」
 と顧問の男性が絵里子の方を見ながら声をかける。
 「その恰好のままやるの?泥だらけになるけど大丈夫なの?」
 少し躊躇しながらも、絵里子はこの機に及んでは肯定の返事をするしかなかった。
 「あっ、あの・・・はい!」
 「はなかなか度胸あっていいね。では、まずはこの田んぼ中を軽くランニングしてみようか。靴は脱いでいいからね。そうしないと靴が脱げてどこかにいってしまうかもしれないから。」
 絵里子はパンプスを脱ぐと、恐る恐る休耕田の中に足を踏みれた。そこは、泥の深さがそれほどではなかったがふくらはぎ近くまで泥で埋まってしまうので、注意しないと足をとられて転んでしまうそうだった。
 絵里子は転ばないようにするとともに、スカートに泥ハネがとばないように注意しながら休耕田の中を軽く走り出す。絵里子は気が付かないようであるが、第三者から見ると、やはりスカートには泥ハネがどうしてもかかっている。最初のうちは汚れないようにスカートの裾を上げて走っていたが
、しばらく行き来しているうちにスカートが泥水で濡れていき、泥ハネもついてしまっていることに覚悟を決めたのか、スカートが汚れるのをまったく気にしないで大胆に走り出した。そして、ついには足を泥に取られて転んでしまう。なんとか下半身だけが泥田につくだけでおさまったので全身が泥だらけになることは免れたが、脚はもちろん、スカートの一部も粘着性のある泥で覆われてしまった。

03

 ランニングの次はサッカーボールに見立てたビーチボールを蹴る試験が行われた。風が吹いていることもあり思うようにボールを蹴ることができない。
 スーツを泥だらけにしながら頑張っているものの自分の体力などに不安をのぞかせる絵里子に対して、顧問は部活をやっていけそうか尋ねられる。サッカーがどうしてもやりたい絵里子は、頑張っていきたいという意思を伝え、入部試験を継続する。
 続いては、休耕田の中で腕立て伏せや腹筋、背筋など体力測定だ。ここまでこなすと、スーツは全身ずぶ濡れ&泥だらけになった。先ほど、教室で部長からの説明を聞いていた時は、クリーニング仕立てで、皺も汚れもなく、まっさらのリクルースーツといっても良いほど綺麗だったが、今は水も無残な姿となっている。
 しかし、その代償として絵里子は女子サッカー部の入部を顧問から認められた。どのような事情によるものか顧問には分からなかったが、スーツ姿で泥だらけになりながら入部試験に臨む絵里子の努力が高評価を得たのであった。

 絵里子は嬉しさが爆発したのか、自ら休耕田の中に飛び込んでいった。そして、どうしたことか田んぼの中で膝をついて座り、泥を手ですくってジャケットやスカートに塗りたぐっていき、さらにリクルートスーツを汚していく。
 今となっては帰りのことなどもうどうでもよかった。ほぼ真新しいリクルートスーツを泥だらけにしていくという体験が新鮮で、童心に戻ったような楽しい不思議な感覚に包まれていた。