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カテゴリ「ウェット・ストーリー」の51件の記事 Feed

2017年7月14日 (金)

女子学生のための就活塾①

 今の時代、就活で内定を獲得しやすくするために「就活塾」というものが盛況だ。絵里子は、本格的な就職活動を来年に控え、大学3年時から「就活塾通い」の決意をした。
 絵里子が選んだ就活塾は女子学生にのみ門戸を開いており、普通の就活塾とは一線を画している。ウリは、ある「属性」をもつ会社経営者が運営する会社への就職内定率は100%だということである。
 その「属性」とは、ずばり、女子学生のリクルートスーツ姿が大好きな「リクスーフェチ」であり、かつ、リクルートスーツのままプールに入ったり入浴したりする様子を観察するのが好きな「ウェットフェチ」であるということだ。こうした趣向をもった会社経営者との太いパイプをいくつも持っている某就活塾に絵里子は意を決して入塾した。

 この就活塾は毎週1回、自らもリクルートスーツ&ウェットフェチである塾長直々のプライベートレッスンを受けられる。全3回でクライアントである会社経営者が好みそうな「行為」や「趣向」を習得する。そして、習得したことを「特別面接」の際に披露すれば100%内定を獲得できる。

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 「失礼します。」
 いよいよ就活塾の第1回目の講座だ。濃紺リクルートスーツに身を包んだ絵里子は、面接時のマナーを意識してドアをあけた。
 室内に通され、ソファーに座った。今日は講座の初日ということで塾長との雑談がメインになっている。その後、「リクルートスーツウェット」の醍醐味についての話も聞く。百聞は一見に如かずということで、映像を収めたDVDを視聴し、内定獲得のためのエッセンスを学ぶはずであったが・・・。
 「DVDが見当たらないぞ。」
 どうやら視聴するはずだったDVDが無いらしい。塾長はDVDをなくしてしまったのだろうか!?
 否。これは計画的なことであった。
 絵里子は、面接を行っている室内や、DVDデッキ、テレビの周辺を探すが見つからない。見つかるはずがない・・・!
 「この部屋以外にどちらに行かれましたか?」
 絵里子が尋ねると塾長はわざとらしく答える。
 「そういえば、さっき、プールサイドに行ったかな~。」

 絵里子はリクルートバックをしっかり肩に掛け、塾長と一緒にプールのある方へと移動する。プールの水面がキラキラ輝く光景に見とれるが、その反射光でまぶしくもあった。絵里子は、プールサイド周辺を一瞥するがDVDなど見つからない。しかし、プールの中に目を落とすと、ケースに入ったDVDが沈んでいるのに気が付いた。

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 絵里子はこの就活塾の目的に思いを馳せ、全てを悟った。
 「何かのひょうしでプールに落ちたのかもしれませんね。探してきます!」
 躊躇することなくリクルートスーツを着たままプールの中に入り、水中のDVDを拾う。
 「ありましたよ!」
 塾長の思惑通りであると同時に、絵里子が塾長の意図する事を忖度した結果でもあった。見つけたDVDは自宅で第2回目の講座の時までに視聴してくることが宿題として課され、リクルートバックの中にしまう。

 DVDを見つけたご褒美として、塾長からプールの中にしばらく入っていても良いという許可をもらう。すでにずぶ濡れになって真っ黒に変色した濃紺リクルートスーツのまま再びプールに入ることは何の抵抗もなかったが、プールに入ることが「ご褒美」なのかと絵里子は疑問に思った。
 しかし、炎天下で熱を吸収しやすい黒のリクルートスーツ姿でプールサイドにいるよりは、プールの中の方が涼しくて気持ち良く感じるのは事実だ。ある意味、ご褒美かもしれない・・・とも感じる絵里子であったが、この思考経路こそ塾長が敷いたレールにほかならない。

 しばらくすると、塾長からリクルートバックを持ってプールに入るとクライアントさんからの印象が良く、さらに内定をゲットしやすいという情報をもらう。絵里子は素直に実行に移す。
 スーツのままプールの中に入るのは今日が初めての経験だったが、リクルートバックも持った状態でというのがさらにシュールなことに感じた。リクルートバックを持ったままプールにしばらく入っていたせいか、DVDを落としてしまったらしく、カバンの中には見当たらない。
 「あっ、さっきのDVD落としてしまったみたいです。」
 絵里子は再び潜ってDVDを拾うと、プールからあがり、プールサイドに置かれたチェアーベットに身体をあずけてくつろいだ。

 就活塾1回目で、絵里子はリクルートスーツフェチやウェットフェチについて、なんとなく分かった気がした。2回目以降はさらにハードな内容になるという。絵里子は今日もらったDVDでしっかり学習して次回以降に備えようと意気込んだ。
 

2017年4月13日 (木)

就活女子学生の秘密①

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 都内のとある賃貸マンションの一室。慣れないリクルートスーツに身をつつんだ就活中の女子学生、絵里子。

 就職活動をおこなう女子学生を取り巻く環境は依然として厳しい。大学の授業はもちろんのこと、入学時から属している体育会系サークルの活動、さらには生活費や就活費を稼ぐためのアルバイト、卒論準備など、絵里子のように「まじめな」女子学生にとって就職活動は心身ともにハードなものとなる。時間はいくらあっても足りない。

 大学4年になった絵里子は4月になって本格的に就職活動を開始した。就職活動によるストレスはかなりのものだった。
 絵里子は就職セミナーから帰宅するとリクルートスーツから私服へと着替えるのも億劫に感じた。リクルートスーツのまま浴室へと向かった。いま流行りのウォッシャブル・リクルートスーツを着ている絵里子は、そのまま入浴し、ついでに洗濯すればよいと考えた。

 まず、シャワーを浴びてから入浴し、湯船に浸かってリラックスしたら洗髪もした。身も心もリフレッシュすると同時に、リクルートスーツのまま入浴するという行為に、不思議な感覚を覚えたのだった・・・。

2016年10月29日 (土)

着衣水泳部への体験入部③

 午後3時の休憩後、参加者たちは新たな服に着替えてプールサイドに集合した。
 絵里子は、なんと帰宅時用にと持ってきたはずの濃紺リクルートスーツ姿だ。後先の事を全く考えていない。絵里子はすでに、着衣水泳というか、服のままずぶ濡れになっていくという行為の何とも言えない楽しさに目覚め、その虜になっていたのであった。

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 絵里子はたまたま持ってきていた水風船を先輩に差し出し、プールサイドで遊ぶことを申し出た。
 先輩はそのことを快諾したが、「着衣水泳部」の成員である以上、心の中には悪だくみを抱いていた。水をかなり含ませ今にも割れそうなほどに限界ギリギリまで膨らませた水風船を使って、絵里子の望み通りプールサイドでキャッチボールを始めた。
 なかなか割れず、二人の間に退屈感が漂い始めたころ、先輩が絵里子に細工を施した。絵里子は素直に受け入れた。

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 次の瞬間から先輩が絵里子に投げる水風船は、かなりの確率で割れだし、たくさんの水が絵里子の濃紺スーツにかかる。何度も繰り返されるうちに、絵里子のスーツの前面はジャケットもタイトスカートもずぶ濡れで、水はブラウスはもちろんのこと、下着にもしみこみ始めていた。裾からは水がしたたり落ちる。
 しかし、絵里子は意外にも笑顔で、自分が置かれている状況を楽しんでいるようであった。

 水風船を使い果たすと、プールサイドには水風船が割れた残骸と、ずぶ濡れとなったスーツ姿の絵里子が存在しているだけであった。

 「(これだけ濡れたらプールに入ったのと変わりないわ)」
 と絵里子は内心思っていた。
 「絵里子ちゃん、そんな濡れちゃったんだから、いっそのこと泳ごうよ。」
 「あっ、はい・・・そうですよね・・・。」
 先輩は思惑通り自分の悪だくみが実現し、しかも、かわいい新入女子学生に対する支配感を味わっていた。
 否。
 実は、これは絵里子が先輩をこのように誘導しただけであった。そもそも「水風船」を用意したのは絵里子だ。

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 絵里子はこの体験入部を通して偶然にも「服のまま濡れる」という行為に快感を覚えたものの、その行為に至るまでは、自発的というよりも、受動的、あるいは偶発的、つまり自分だけの判断によるものではない過程で実現されることの方により興味を持ち始めていたのだった。

 絵里子はプールに入り、あたかも先輩に操られているかのように(実は、逆に絵里子が先輩を操っているのだが・・・)、「従順に」ビート板を使って泳いだり、何度も水中にもぐったりしながら、わざとスカートがめくれ上がるようにし、先輩の目をひくように大胆に振舞い続けた。
 この体験入部に持参したスーツ3着は全てずぶ濡れとなった。いずれかのスーツを着て帰宅の途につかなくてはならなくなった代償を払う代わりに、新たな「楽しみ」を見つけ、充実した思いをかみしめていた。
 すでに、絵里子の中では、着衣水泳部への入部は確定的であった。この世界にいざなわれた絵里子の行く末は誰も知る由はない。

  終わり
 

2016年9月12日 (月)

着衣水泳部への体験入部②

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 昼食後、再びプールに集まって午後の部が開始された。
 絵里子はライトグレーの3つボタンスーツを着ている。塾講師のアルバイトの際に着回しで着用しているスーツの一つだ。
 午後も午前中に面倒を見てもらった先輩の男子部員からマンツーマンで指導を受けることになった。どうやらその先輩から気に入られたようだ。着衣水泳部といえども、絵里子は泳ぐことはおろか、水への恐怖心が完全に除かれていないということもあり、もっとプールの水になれる必要があった。

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 先輩の案で、プールの中を歩行したり、潜って移動する練習をすることになった。単にプールの中を歩き回るだけではつまらないということで、プールにいくつかのボールを投げ入れて、それをできるだけ早く拾い集めるというゲームを2セット行うことにした。

 絵里子はカラーボールをプールのあちらこちらに投げ入れた。いきなり冷たいプールに入るといけないとのことで、先輩がシャワーで水をかけた。
 ジャケットもスカートも濡れた個所が徐々に黒っぽく変色していった。ある程度スーツが濡れたということもあり、絵里子は何の抵抗もなくプールに入ってボール拾いを開始することができた。
 近くに2つ3つとかたまってボールが浮いている場合もあるが、一度に1つだけボールを拾い、それをプールサイドに置くというのがこのゲームの決まりだ。必然的にボールの数とプールサイドとの往復の回数が一緒になる。時折、プールサイドに完全に上がったりもした。その時は、ジャケットやスカートの裾から激しく水がしたたり落ちた。

 水の中を歩くのは、簡単そうに思えて意外と水の抵抗で進むのが大変で、1セット終えるのにけっこう時間がかかった。

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 2セット目は1セット目もよりも時間を短縮することがミッションだった。
 隣のレーンへ移るときはコースロープの下を潜るという決まりだった。これも絵里子が早く水に慣れるようにという思いから先輩によって与えられた「試練」だった。水中から顔を出すたびに絵里子は顔を手で覆って水を払いのけるしぐさをした。

 しかし、何度も繰り返すうちに歩行速度も潜り方も上手になった。時計を見ると、もうすぐ3時休憩だった。
 休憩前の最後に、ゴーグルをつけビート板を使って、顔を水につけながら泳ぐ練習をすることにした。すると、午前中よりもかなり速く25メートルプールを往復できるようになっていた。
 絵里子も先輩もかなりの手ごたえを感じ始めていた。ビート板を使うという条件付きであっても、「着衣水泳」をしていることには変わりない。ましてや、絵里子は泳ぎにくい衣装の代表例ともいえるスーツ着用だ。かなづちの状態でこの体験入部に参加したことを考えれば大きな進歩であった。

 ③へと続く

2016年8月 6日 (土)

着衣水泳部への体験入部①

 いよいよ待ちに待った着衣水泳部への体験入部の日がやってきた。
 絵里子は、スーツケースにライトグレーと濃紺のスーツ、ブラウスや下着などを皺にならないようにきれいに詰め込んだ。帰宅時に着用するための私服を持っていこうとしたが、荷物になるのでやめた。ライトグレーか濃紺のどちらかのスーツが濡れずに済むだろうから、そのどちらかで帰ってくれば良いと考えた。

 ~ 中略 ~

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 集合場所にいくと、まばらに人が集まっていた。せわしく動き、入部希望者と話してメモを取っている女子学生が、先日、絵里子の電話に出た着衣水泳部の部長だとすぐに分かった。参加者は男女合わせて10名ほどだった。部長が絵里子の存在に気が付くと近づいてきて、名前や着替えの着数などを確認した。

 周囲を見渡すと意外にも参加者のほとんどが女子だった。男子は上級生の部員が2名だ。
 女子はセーラー服などの女子高生制服やらアニメのコスプレ、マキシスカートなど、到底これからプールに入るとは思えない恰好ばかりだ。絵里子にいたっては黒の2釦スーツ。このスーツは大学の入学式で1回着用し、クリーニングに出してクローゼットに入れておいたものだ。新品同様で皺ひとつなかった。
 絵里子は、自分のスーツに視線を落とすと、後悔の念が少しだけ湧き上がってきた。・・・・・実家に行ってタンスの肥やしになっている高校時代や中学時代の制服とかテニス部時代のユニフォームを持って来ればよかったと・・・。

 まもなく、メイド服姿の部長が説明をはじめた。
 「参加者の皆さん、では、キャンパス内の室内プールに移動して、早速ですが、着衣水泳をはじめたいと思います。プールに着いたらロッカーに着替えなどの荷物を入れて、プールサイドに集合してください。着替えはもちろん持ってきているでしょうから、今着ている服のまま迅速に集合してくださいね!」

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 授業がなく閑散としているキャンパス内を歩きながら、絵里子は自分が今着ているスーツの運命を悟った。プールに着くと、荷物を整え、部長の言葉通りプールサイドに行った。


 「では、皆さん、まずは準備体操を十分にしてから入水してくださいね。室内プールですけど、ここは温水ではなく冷たいので注意してください。」

 絵里子は入念に準備体操をして体を温めた。体験入部参加者達は、キャーといいながらも楽しそうにプールサイドに座って水を自分に向かってかけ始めた。水は想像以上に冷たく、体が慣れるまでに時間がかかりそうだった。絵里子はスーツに向かって水をかけた。
 「行きます!」
 とセーラー服を着た参加者が突然プールに飛び込んだ。水しぶきが絵里子や他の参加者にも飛び散った。後に続けといわんばかりに、次々に参加者達はプールに入っていく。絵里子は出遅れていた。自分で決めたこととはいえ、スーツ姿でいることにためらいを感じていたのだ。
 しかし、ここまできて引き返すわけにはいかないことはわかっていた。「着衣水泳」という未知なる経験・・・・今日という日を密かに楽しみにしていたのも事実だった。自分の気持ちだけはごまかすことはできない。

 絵里子は意を決すると、ゆっくりとプールに入っていった。スカートからジャケット、ブラウスへと徐々に水に浸かっていく。いきなり水圧で体が締め付けられるような感覚に襲われた。何とも言えない感覚だった。
 かなづちの絵里子はただ、プールの中を歩き回るだけだった。その様子を見た上級生の男子部員の一人が近寄ってきた。
 「泳げないの?」
 「あっ、はい、すみません。」
 「ただ水に浸かっているだけじゃつまらないでしょ。犬かきでも何でもいいからチャレンジしてみない?(笑)」
 「犬かきもできないかも・・・。」
 絵里子はもがきながら進むことを試みた。しかし、その姿は泳いでいるというよりは、溺れているといった方が適切だった。みかねた、彼はビート板を差し出した。
 「これを使ってみようか。腕をまっすぐ伸ばしてその下にこれを入れてみて。脇の下奥深くまでね。それで、力を抜いてお尻を浮かすように意識してみて。」

 絵里子は言われたとおりにしているつもりだが、なかなか上手く浮き上がることができない。バタ足しても足が水中に沈んだままだった。しかし、彼の的確なアドバイスのおかげで、ビート板を使えば泳げるようになった。
 ただ、まだ完全に水への恐怖心が除かれたわけではなかった。スーツを着たまま、素潜りをしたり、水中歩行をしたりと少しずつ水に慣れていくことにした。

 ②へと続く

2016年7月23日 (土)

猛暑しのぎの秘策!?

 暑い日が連日続きますね。まだ7月だというのに、関東では猛暑日を記録した場所がすでに何カ所かあります。
 こんな暑さの中、リクルートスーツのジャケットを着込んで就活にいそしむ女子学生を見ると、つい目がいってしまいます。私のような「リクルートスーツ&ウェット」フェチなら、すぐに彼女らを涼しくしてあげる方法はいくらでも思いつきます。きっと、このブログをご覧になっている皆さんも同じかと思います。(笑)

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 「就活女子!暑さを吹き飛ばせ!」ということで、「打ち水」ならぬ「水掛け・水かぶり」を推進してはどうかと。(笑)
 「冷水を頭からかぶる」ことで打ち水の100倍の効果があり、どこでも実践できます。自販機などミネラルウォータを手軽に入手できる現在においては、屋外であろうと場所を選びません!(笑)

 自宅であれば尚よしです。自宅で洗濯できる「ウォッシャブル」リクルートスーツがかなり普及してきたので、就活から帰宅したらそのままバスルームに直行することも可能です。
 頭から水をかぶって、シャワーを浴びれば一気に涼しくなれます。さらには、アロマ効果のある入浴剤を入れてバスタブに浸かればリラックスもできます。つまり、「涼&癒し」効果があるわけです。就活女子学生にこのようなことを手軽に実現可能にさせたのは、まさに、「ウォッシャブル」リクルートスーツのおかげなのです!

 ・・・・って、本気で言っているわけではなく、今月末か来月上旬に発表する新作のことです。(笑)
 今夏初となる新作の1シーン目は、上記のような内容を初々しい女子学生モデルさんに実践してもらいました。リリースまでもう少しお待ちください。

2016年7月15日 (金)

着衣水泳部への体験入部

 ~ プロローグ ~

 絵里子は、この春、大学に入学したものの、授業はもちろんのことアルバイトや一人暮らしの生活に慣れるのに必死で、ようやく気持ち的に余裕が出てきたのは六月になってからだった。交友関係を広め、学生生活をさらに充実させ楽しいものにしようと考え、人よりも一歩遅れてサークル探しを始めた。

 そんな時、キャンパス内の自由掲示板で、ふと絵里子の目に飛び込んできたのは、水泳部ならぬ「着衣水泳部」の新入生募集の張り紙だった。なんとも斬新で不可思議な響きを持った単語だった。これが自分の運命を変えることになろうとは絵里子は思ってもいなかった。 
 「(着衣水泳って何?聞いたことあるようなないような。面白そう・・・かも。)」
 絵里子は自分がカナヅチであることも忘れ、貼り紙に書かれている連絡先に早速電話していた。

 ~ 中略 ~

 電話を切った時、なぜか絵里子の心は弾んでいた。すでに、絵里子は今度の日曜日に実施されるという着衣水泳部の体験入部に参加する意思をかためていた。時期も時期なので、これが最後の体験入部説明会だということだった。これを逃したら、一生、着衣水泳を体験できないような気がして、何が何でも参加しなくてはという感覚に陥っていた。

 「(水着は持っていく必要ないんだよね。普段の恰好とか、コスプレとか、本来なら濡らしちゃいけない服とか・・・濡れるのを楽しむサークルだから、好きなだけ服を持ってきてくださいとか言ってたけど・・・私・・・何持って行こうかな・・・。)」

 自分が泳げないことを不安に思いつつも、服を着たまま濡れるという不思議な体験への好奇心が頭の中を支配し始めた。

 帰宅して、クローゼットを開けると、黒のスーツが目に飛び込んできた。入学式で着用したきりになっていたものだった。その隣には濃紺とライトグレーのスーツもハンガーにかかっている。これらは、塾講師のアルバイトで着用しているものだった。週4日もアルバイトをしているため、スーツは着用感があり、スカートには座りじわやテカリが目立つ。
 普段、大学の授業などに着ていったりする私服はなぜか着衣水泳で使うことに抵抗があった。スーツなら「仕事(アルバイト)着」ということで気持ちの割り切りができると考えた。

  そんなわけで、絵里子は、体験入部には、3着のスーツを持っていくことに決めた。体験入部の翌日に塾のアルバイトがあることなど、今はどうでもよかった。着衣水泳という未知の体験に思いをはせていた・・・。

  本編へ続く

2014年4月24日 (木)

就活内定の必勝儀礼!?

 絵里子は大学卒業を来春に控えた最終学年となった。卒論の準備に加えて、昨年の秋以降からは就職活動のためにエントリシートを大量に応募したり、履歴書の量産などで忙しい毎日を送っていた。
 ただ、絵里子が苦手な寒い時期が過ぎ去り、最近は春の気配を感じる暖かい日が多くなってきたのが救いであった。

 今日、絵里子はある就活セミナーに行った際、仲間から最近ネット上で話題になっている某サイトの存在を教えてもらった。
 そのサイトに書かれている「内定必勝儀礼」を実行すると希望する企業の内定をゲットできるという迷信が一部の就職女子学生の間で話題になっているとのことだ。二十代前半~三十代前半の女性をターゲットとした女性専門のファッション誌の「就活女子特集」というタイトルの記事の中でも紹介されており大きな反響となっている。

 もちろん、その「内定必勝儀礼」は「迷信」であるため、信憑性や合理性にかけているらしかった。
 しかし、この迷信を信じて実際に行動し、見事内定を勝ち取った人の喜びの声がサイト内の掲示板にたくさん書き込まれているのも事実だった。そんなことから、一部の女子学生の間では密かに話題になっていた。

 帰宅するなり、着替えもせずリクルートスーツ姿のまま机に向かった。そして、早速教えてもらったサイトにアクセスしてみた。
 「内定必勝儀礼」と大きく目立つタイトルで書かれていて、基礎編と応用編に分かれていた。どちらも淡々と説明が書かれていた。絵里子は興味を持ってまずは基礎編を読み始めた・・・。


~「内定必勝儀礼(基礎編)」~
次のことを実行すれば内定をゲット!


①この儀式には「おろしたてのリクルートスーツ一式」を購入すること。

②儀式用のリクルートスーツをを着用したまま一晩寝る。

③翌朝、起きたらリクルートスーツをハンガーにかけて1日以上おく。
※皺だらけになってしまったら霧吹きで水をかけて自然に皺をとること。
けっしてアイロンがけやクリーニングに出してはならない。


④雨の日になったらそのリクルートスーツを着用し、傘をささずにずぶ濡れになりながら、内定をもらいたい会社の本社または支社までいき自宅に戻る。
※途中で寄り道をしてはならない。
*交通機関を用いても良いが屋外を歩くときは雨に濡れたままの状態を維持すること。


⑤自宅に帰ってきたら、ずぶ濡れとなったリクルートスーツ一式を自然乾燥させてクリーニングに出す。

⑥クリーニングからリクルートスーツが戻ってきたら、必ずそのリクルートスーツ一式を着用し、内定をもらいたい会社の説明会やセミナー、面接など全ての選考に臨む。
※「内定必勝儀礼」の期間中はそのリクルートスーツ一式は絶対にクリーニングに出してはいけない。


⑦最終面接当日、帰宅後はまっすぐ浴室に行き、リクルートスーツを着用したまま入浴すること。入浴後のスーツは最終面接の連絡が来るまでクリーニングに出さずハンガーにかけて部屋の中に置いておく。

【注意】
 もし、この儀式を進行中に、他社の説明会や面接に臨むときは、この「内定必勝儀礼」で使用中のスーツ一式(ブラウスを含む)は使えない。

以上であなたは内定をゲットできるはずであるが、万一効果が無かった場合は、【応用編】を試すことをおすすめする。
 


 一読して非合理的でばかばかしい「内定必勝儀礼(基礎編)」であると絵里子は思った。
 しかし、これを実行して内定を勝ち取る人が実際にいることにより女子学生の一部の人はこの記事にひかれてしまうらしい。

 絵里子もそんな人間の一人だった。

 
雨の中、ずぶ濡れになりながら街中を歩くのは勇気がいるが、もしそれで内定がもらえるんだったら、この「内定必勝儀礼(基礎編)」に賭けてみようと絵里子は思った。

 そして、なぜか、絵里子は自分の感情をコントロールできなくなっていた。
 雨の中でびしょ濡れになるためのリクルートスーツを震える手でマウスを握りながら選んでいた。絵里子が購入しようとしているのはチャコールグレーのリクルートスーツだ。表地がイタリア製の毛で裏地がナイロンのものであった。生地は比較的薄手ですべすべした手触りのもののようだ。

 
「たとえ、これが単なる迷信で何の効力がなくても構わない・・・そんなことより・・・私。」
 
 絵里子の胸は激しく鼓動し始めていた。(完)


2014年1月 8日 (水)

マネージャー1日体験(最終回)


 

 マネージャー1日体験 (1)はこちら   (2)はこちら  (3)はこちら


 ハーフタイムの間に強くなった雨は弱まる気配はなく、このまま後半が始まってしまいそうな雰囲気だ。スーツ姿の新入生のマネージャー志望の絵里子たちはみんな不安げにグラウンドを見ている。
 後半が始まる頃になって、幸いにも雨足は若干弱まったが、それでもこんな雨の中で傘もささずにいたらすぐにずぶ濡れになってなってしまうだろう。
 そんな絵里子たちの不安を先輩マネージャー達が払拭してくれた。おりたたみ傘をマネージャー体験会に来た絵里子たち新入生に手渡してくれたのだ。
傘は絵里子たち新入生の人数分は十分に足りるほどであった。折りたたみ傘は、どうやら体験会参加者のために常備されているものらしかった。

 「私たち正部員は、遠征のときは雨でも傘をささないことになっているんだけど、みんなは気にしないで傘さしていいからね。呼ぶまでここにいてね。」
 新人監督らしきリーダーのマネージャーは、そう言うと、雨の降りしきる中、スーツが濡れてしまうのもお構いなしにベンチの方に向かって小走りでかけていき、雨で濡れているベンチに何の躊躇もなく座った。
 そのことを確認すると、後から他の先輩マネージャー達が一斉にかけて行って、後半開始のために準備をした。準備が終わると、先ほどと同じようにリーダーマネージャーの後ろに直立不動で立っている。立っているのは2年生や3年生の女子マネージャーらしい。
 ベンチに屋根が付いていれば濡れずに済むのに、ここでは雨が否応が無しにふりかかってくるため、先輩たちはすでに髪の毛からも雨が滴り、スーツはジャケットもスカートもずぶ濡れになっている。これぞまさに体育会系の女子マネージャーの姿といったところだ。

 いよいよ後半の開始のようで両チームの選手たちがグラウンドに入っていく。
 「みんな来て!」
 リーダーが絵里子たちを呼んだので、傘をさしながらベンチの方に小走りで走っていく。みんなスーツに雨がふりかかったり、泥ハネがとばないように気にしていたが、まだかなり強い雨なので、パンプスはすぐさまびしょ濡れとなり雨水が中に入っていく。
 時折、風がふくと横なぐりの雨がスーツ全体にかかってしまうほどだった。絵里子たちはスーツが濡れないように傘を傾けたりと色々工夫している。そのことばかり気を取られていて試合にあまり集中できずにいる。一方、先輩たちは、スーツ姿で雨に打たれてさらにすごい状態になっている。

 前半に取られた2点を追いかける水光大学は、後半はかなり攻撃的な布陣で相手陣内に入り込み多くのチャンスを生み出していた。
 逆転は難しくてもなんとか同点に追いつけるのではないかというくらいの勢いだった。そんなベンチの希望を叶えるかのように後半の早い時間帯で1点を返すことに成功した。
 しかし、まだまだ攻めなくてはならない。スーツ姿でずぶ濡れの先輩マネージャー達の声も大きくなっていく。絵里子たちも次第に試合の応援に熱が入っていった。
 そんな絵里子たちの願いが通じたのか、前半になかなか奪えなかったゴールが立て続けに決まり同点に追いついた。ベンチの先輩マネジャーや控え選手たちは全身ずぶ濡れの姿で喜び合っている。

 そんな先輩たちの様子を遠巻きに傘をさしながら観戦している絵里子たち新入生は、その輪の中に入ることもできず、どこかきまりが悪く感じていた。

 「私、入部することに決めた!選手もマネージャーさんたちも仲がよくて団結力あるみたいだし。そんな先輩たちと一緒にやっていきたいかも。」
 絵里子の隣に立っていた彩華がそうつぶやいた。
 「うん、私も。」
 「私も!」
 「私も決めた。」

 いつのまにか絵里子以外の4人は入部を決意したようだ。そして、顔を見合わせながら傘を折りたたんだ。その突然の行為に絵里子は驚いた。
 実は、絵里子も先輩たちの人柄や仲の良さに安心し、入部の意志をほぼかためていたが、だからといってスーツ姿のまま先輩たちと同じように雨に打たれる必要はないと思った。
 しかし、他の4人が雨に打たれながら応援しているのに、自分だけ傘をさしているのは気まずかった。もし、この光景を先輩たちに振り向かれて見られでもしたらと思うと内心焦っていた。

 絵里子はふと心の中で考えた。
 「 (入部しないならともかく、ほぼ気持ちはかたまっているんだし・・・もし、私だけ傘をさしてこのまま過ごしたとしたら、入部しずらくなっちゃう・・・。) 」
 絵里子以外の4人は、おろしたてに近いスーツに特有の撥水効果で、つい先ほどまでは雨をはじいていたはずだが、今はまるで全身水の中にしばらく浸かっていたかのような状態になっていた。絵里子も覚悟は決まった。

 「もし逆転したら、私たちも先輩たちの輪に入ろう!」
 そう言うと、絵里子は自分の運命を悟るとともに気持ちが吹っ切れ、傘をおりたたんだ。そして、他の4人と顔を合わせた。
 絵里子のチャコールグレーのスーツは、またたくまに水を吸収していき、ジャケットもスカートも黒く変色していった。

 「みんな・・・どうしたの。」
 驚いた表情でさっき絵里子たちに傘を手渡してくれたリーダーが声をかけてきた。その声に反応した他の先輩マネージャーや控えの選手たちも雨に打たれている絵里子たちの意外な行動に驚いている。
 「あっ、あの・・・」
 と彩華が何か言いかけると、すべてを理解したリーダーは絵里子たちをすぐさま手招きした。そして、絵里子たち5人を2、3年生のマネージャーたちと同じ列に並ばせた。

 そんなやり取りのあった直後であった。
 水光大学が逆転のゴールを決めた。絵里子たち新入生も先輩マネージャーも関係なく手をたたき合ったりして喜びを体現して感情を共有している。

 絵里子は大学に入学して初めて、自分が大学生らしい体験を仲間と一緒にしているんだと感じた。これぞ、まさしく青春そのものであった。

 そして、絵里子は、もう一つ誰にも言えないものも感じてしまった。それは、傘をたたんでから雨に濡れていったスーツが徐々に重くなって体を締めつけていったときの何とも言えない感触だった。
 ずっとこの状態のままだったとしたら、どんなに気持ちよいかと感じていた。裏地までずっしりと濡れたタイトスカートが太ももや脚にまとわりつくのも不快というよりは快感に絵里子には思えた。


 絵里子は、まさにこの不思議な感覚によって、心の奥底で静かに眠っていた何かが目覚めた瞬間であった。今後、マネージャー活動をしていくうえで、今日のようにスーツ姿で雨に濡れるという体験ができることを思い描いていた。(完)

 

2013年12月21日 (土)

マネージャー1日体験(3)


 マネージャー1日体験 (1)はこちら   (2)はこちら


 絵里子たち一行は、練習試合の対戦相手の大学のサッカーグラウンドに到着した。試合前の練習で使用するボールやスポーツ飲料水の入った大きめの水筒を数本運ぶ必要があるが、女子マネージャーの体験会に参加している新入生の絵里子たちは、運ばなくても良いことになっていた。
 ただし、帰りの後かたずけでボールや水筒などをバスまで運んでくるのは体験会に参加している新入生の役目である。そのことは先ほど、バスの中で先輩マネージャーから一通りの説明を受けていた。
 他には試合中も特にすることはなく、先輩マネージャー達から何かお願いをされない限りは、先輩たちの様子を見ながら試合を観戦しててもよいとのことだった。

 今日は学外での活動なので、女子マネージャーたちは部の正装とされているスーツ姿だが、普段、学内での練習の際にはジャージ姿である。
 なぜならば、女子マネージャーは忙しく走り回り、ボールなどの準備や片づけ、泥だらけになった部員の練習着やユニフォームなどを洗うのが主な役目で、他にも練習中に時計をはかったり、笛を鳴らしたり、男子部員がけがなどをした際に、救急箱をもって駆けつけて処置を施すなど意外と仕事がある。雨が降ってもずぶ濡れになって男子選手たちのためにサポートする。それが女子マネージャーの役目である。

 しかし、他大学へ出向いていく練習試合やインカレなどの試合では、これといった仕事があるわけではない。したがって、今日の体験会では、絵里子たち新入生は、試合後にボールや水筒を運ぶ程度だ。
 万一、けが人が出た場合などの処置や、スコア記録などは先輩たちがやることになっていた。絵里子たち体験会参加者には、サッカー部の雰囲気を味わってもらおうというのが趣旨のようで、具体的な仕事というかお手伝いは、これといってないのだ。


 練習試合中は特に何も必要無いので、貴重品だけもってカバンなどの持ち物はバスの中に置いておくことになっていた。
 先輩女子マネージャーはボールや水筒を手分けして持っているが、体験会に参加している4人はただ、スーツ姿で手ぶらのまま男子部員や先輩女子マネージャーたちの後をついていった。

 試合前には部員たちは軽くダッシュをしたりボール回しをして体を温めて慣らしている。いよいよ、練習試合が始まろうとしている。ボールなどを片付けることとなったが、ここからが新入生たちの役目だ。当然とはいえ、絵里子たち4人のマネージャー志願者たちはぎこちない手つきでボールを拾って網の中に入れてまとめていく。水筒はベンチに持ってきて脇に置いた。グラウンドの準備も整い、間もなく試合開始だ。

 ベンチに座れる人数には限りがあり、さすがに体験会参加者の絵里子たちは、お客さんだとはいえ座ることができず立って観戦することとなった。
 ホイッスルが鳴りキックオフだ。
 試合が始まって前半も半ばを過ぎたがほとんどの間、ボールは絵里子が属する水光大学が支配している。シュートチャンスを何度も作っているが、ゴールネットを揺らしていない。得点までは時間の問題のように誰もが感じていた。
 しかし、ちょっとした油断から相手にゴールを決められてしまう。さらに、その数分後、自陣ペナルティーエリア内でハンドがあり退場の上にPKまでも与えてしまう。そのPKを確実に決められてしまい、あっという間に2点のビハインドになってしまった。

 5分前までは優勢だったのに一気に形勢逆転で追い詰められたような感じだ。水光大学のベンチはさっきまでの活気が嘘のように静まりかえっていた。いつの間にか空が先ほどよりも濃い灰色に変わっていた。午前中だというのに暗くなってきて、それがまるで先輩たちや絵里子たち新入生の心情を表しているかのようであった。

 「あっ、雨だ!」
 先輩マネージャーがつぶやいた。
 絵里子はしばらく空を見上げていると水滴が顔にあたった。まだ小雨ともいえず、時折ポツリと水滴が落ちてくる程度だ。しかし、試合は前半もまだ10分程度残しているうえに、ハーフタイムを挟んで後半だって残っている。
 この調子では雨足が強まってきて本降りになりそうな雰囲気であった。空が異常に暗く、天気の回復の見込みがありそうにない。
 雨が降っても試合が続行だということを先輩たちから説明を受けている絵里子たち新入生たちは、入学式で新調したばかりの真新しいスーツ姿を身にまとって、不安げな表情を浮かべながらグラウンドを走り回っている選手を応援している。しかし、空模様が気になるのか、時折、空を見上げる。

 やはり、間もなくポツリポツリの状態から、しとしとと小雨状態になってきた。このレベルであれば、まだ傘をささなくてもずぶ濡れにならないで済む感じである。
 そうはいいつつも、小雨の中に10分以上もベンチの後ろで立って応援している絵里子たちはもちろんのこと、控えの選手達や先輩女子マネージャー達も雨で濡れはじめていた。ベンチには屋根などついていないのだ。
 先輩女子マネージャー達はベンチに座っているので、スーツのタイトスカートにかなり雨がかかっている。そのため、濡れた箇所が水滴となっている女子や、撥水効果がないために既に水がしみてスカートの色が変色している女子もいた。
 その点、絵里子たちは立っているので、スカートはあまり濡れていないが髪の毛やジャケットの肩の部分はけっこう濡れ始めている。


 「(何とかこのくらいでおさまっていてくれれば・・・。)」
 と絵里子は心の中で願っていた。他の新入生たちも思っていることは絵里子と同じようで、試合どころではなく自分のスーツや他の女子達のスーツを見ることで自分のスーツの濡れ具合を推測しているようであった。

 意外にも前半中は雨がこれ以上は強くならなかった。ハーフタイムの間も依然として小雨であったが、両チームの部員やマネージャー達はさすがに雨ざらしのベンチから移動し、グラウンドに隣接する建物の軒下で雨を避けた。男子たちは後半の戦略について真剣に話し合っている。
 マネージャー達はちょっと離れたところで集まって雨に濡れないようにしているが、ハーフタイムの間にけっこう雨足が強くなってきた。地面をたたきつける音が先ほどよりも強くなった。

  スーツのまま雨に濡れてびしょ濡れになって応援する経験が先輩マネージャー達には今までに何度もあったのだろうか。これから雨に濡れることをそれほど気にしていない様子で談笑している。
 後半もこの状態のままだと、まるでスーツ姿のままずっとシャワーを浴びているのと同じようになってしまい、全身ずぶ濡れで、すごいことになってしまうことは容易に想像できる。

 絵里子はじめ、新入生のマネージャー志望の4人は、入学式でおろしたばかりで、まだ綺麗なスーツのまま雨に濡れるのには抵抗があるようで、雨がやむことを祈りながらグラウンドの方に視線を向けている・・・。 (最終回)へ続く