絵里子の到着から遅れること20分。といっても、会社から知らされた約束の時間よりも10分早いが沙由理が到着した。
沙由理が到着した時間には既に受付が開設されており、制服姿の受付の女性が対応してくれた。沙由理は「青野」ですと名前を告げると試験会場の中へと案内された。
沙由理は前回の面接と筆記試験にパスして今日は「2次選考」であった。しばらく、受付の女性に言われるがまま席についていたが、時間が経つにつれ何かおかしいことに気が付き始めた。
2次選考を受けるのは自分一人だけと聞いていたのに、会場には3、4名のリクルートスーツ姿の女子学生がいる。しかも、会場についたら着替えて待っているようにと指示を受けていったが、そのことについて何の案内もない。
リクルートスーツ姿の沙由理は受付の方に確認のために向かおうと席を立ち上がった瞬間、部屋のドアが開いた。
「青野さん、ちょっとすみませんが、荷物をもってこちらへ来て下さい。」
内心、沙由理はほっとした。しかし、部屋の外に出ると思いもよらないことを知らされる。
「青野さん、いや、青野【沙由理】さんですよね?」
「はい。」
「すみません。貴方以外に、もう一人【青野】さんという女性がいたらしく、その方をあなたと勘違いしたらしく、実習試験が行われる会場に試験官が「もう一人の青野さん」を連れて20分ほど前に行ってしまったとのことなのです。」
「私と間違えて・・・ですか?」
「はい、すみません。携帯などの連絡手段もないため、人違いであることを伝えるには、直接会場にいくしかありません。申し訳ないですが、急いで会場に向かってもらえないでしょうか。」
沙由理は受付の女性から会場までの地図を手渡される。
「もしかして、もう一人の「青野」という女性、下の名前は【絵里子】いう人ですか?」
「そうですがご存知なのですか?」
「はい、同じ学校の人です。名前と顔は一致しますがあまり親しくはありません。あっ、早く行ってあげないといけませんね。では失礼します。」
と、軽く頭を下げると、着替えの入ったバックを肩に掛けて手渡された地図を頼りに早足に会場へと向かい始めた。 ~(3)に続く~
テレビ朝日系列で日曜午後11時~放送中のドラマ「女帝薫子」の6月6日放送分の中で、ヒロインの西村紗也(桐谷美玲)と南野美樹(黒川智花)の2人による雨の中の泥まみれキャットファイトシーンがありました。
二人は雨の中、傘をさしながらぬかるんだ空き地で相対峙します。そして口論の末に、キャットファイトとなるわけですが、二人の衣装はどちらもスカート姿で私的にも気に入りました。(笑)
桐谷美玲は上下白の清楚な恰好で、特にスカートは純白の膝丈フレアースカートで泥だらけになるにはもったいない・・・という感じでした。黒川智花の方はカジュアルスーツ姿でしたが、スカートはタイトではなく黄色のフレアースカートでした。
二人とも綺麗な女優さんですし、普通は絶対に汚したりできないような服での泥んこシーンは久々に萌えました!(笑)
顔や髪はそんなに汚れていませんでしたが、二人とも着ていた服は泥まみれで真っ茶色に染まっていました。特に、桐谷美玲の上下白の衣装が泥で汚れていく姿は圧巻でした。
このシーンは、泥フェチにとって語り継がれていく名シーンとなるのではないでしょうか。ゴールデンタイムでなく深夜の時間帯の放送とはいえ、有名女優2人によるこれほどまでの泥まみれシーンというのはめったにない貴重な映像だと思います。 (完)
今、若い世代の人達の間で農業にビジネスチャンスを見いだしたり、農作業の尊さ・やりがい、または、田舎暮らし・自然の中での生活への憧れといった理由から農業への注目が高まりつつある。
動機はどうあれ、農業にたずさわる人間が増えることは、暗い将来の日本の食糧事情に一筋の光が差し込みはじめたとも考えられる。
そんな農業に魅力を感じ、大学卒業後の就職先として農業関連企業を志望し、本日選考試験に臨む女子大生が二人ここにいる。
絵里子と沙由理である。二人は地方にある某女子短期大学農業学科の2年である。クラスは違うため、それほど接触する機会はなく殆ど話すこともない。
だが、二人の苗字は偶然にも同じで「青野」という。苗字が一緒の上に、外見も似ているため二人は姉妹だとよく間違えられるが、実際には姉妹でもなければ親戚でもない。たまたま苗字が同じだけである。
絵里子と沙由理は今、それぞれ自宅からリクルートスーツを着込んで、とある町の農業関連会社「A社」の選考会場へと向かっていた。もちろん、お互い「A社」を受けることは知らない。
二人はそれぞれ選考段階が異なっており、一方は1回目の選考ということで面接と簡単な筆記試験。もう一方は2回目の選考で会社の田んぼを使って行われる実習試験であった。
絵里子はかなりの余裕をもって自宅を出たため約束の時間の30分前に「A社」に到着した。時間が早かったせいか、まだ受付が開かれていないようであった。絵里子はしばらく外で立って待つことにした。
「青野さんですか?ずいぶんと早いですね。」
会社の中から長靴をはきジャージ姿の中年男性が出てきて絵里子に声をかけてきた。
絵里子はジャージ姿に一瞬違和感を持ったが、会社から出てきて自分の名前を呼んだのだから、選考に関係のある人なのだろうと思い応答した。
「おはようございます。はじめまして、青野絵里子と申します。本日は宜しくお願いします!」
「青野さん・・・うちのような中小の会社ですから、この時間の選考は青野さん一人だけでして。時間がもったいないから、青野さんさえよければ、もう始めてしまってもいいんですが、どうします?」
「はい、よろしくお願いします。」
「では、更衣室がありますから着替えてきて下さい。」
「はい? あの、着替えるといいますと?」
「人事課から連絡いっているはずですけど。スーツのまま選考受けるつもりですか・・・?」
ジャージ姿の試験官は驚いた表情で聞き返した。
「はい。就職活動中はたいていリクルートスーツです。何も考えずいつものようにスーツで着てしまいましたけど・・・。」
「服装に決まりは無いので何でも構いませんが、ちょっとびっくりしたもので・・・。まあ、青野さんさえよければそのままでもいいですよ。では、選考会場へと移動しましょうか?」
「ここではないのですか?」
「そう伝えてあったはずですけど。」
「日時と集合場所はしっかり見ていたのですが、細かい所までは確認しておりませんでした。着替えの事といい、場所のことといい、本当に申し訳ございません。」
「いやいや、そんな恐縮しなくても。気にしないで下さい。」
リクルートスーツ姿の絵里子とジャージ姿の中年男性の二人は、あたりさわりのない会話をしながら実習試験の会場である田んぼのある所へと歩いて向かった。
だが、絵里子は自分が今、田んぼに向かっているということもそこで行われることも知らない。 ~(2)へ続く~
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