止まらない泥んこ遊び…ストーリー公開
泥の中で暫しの休憩の後、絵理子は立ち上がり泥まみれのベストのボタンを手探りで探し、外していった。ベストを脱ぐと下のワイシャツは意外と汚れていなかった。
腕周りやタイトスカートからとび出した裾の部分は完全に泥に染まっているが、ベストの下に隠れていた部分はかろうじて白さを保っている。
絵理子は泥の中に座り込むと両手で泥を掬い上げワイシャツに擦り付け始めた。泥の感触を楽しむように、泥と体を一体化させるかのように何度も泥を体につけていった。
ワイシャツの白い部分が残らないよう徹底的に塗りたくっていった結果、白かったワイシャツもタイトスカート同様に完全に泥まみれになった。泥の感触が気持ちよくしばらくの間、泥の中にうつ伏せになって浸かっている。正真正銘の泥風呂に入っているかのような状態である。
そして起き上がっては泥をすくって胸やお腹に擦り付けていく。そして、まだ、少しだけ残っているワイシャツの白い部分やタイトスカートをさらに泥だらけにしたいという願望を満たすために、程よく泥がこなれているとろころ見つけると後ずさりして勢いよくヘッドスライディングといわんばかりに泥の海の中にとび込んだ。柔らかい泥の塊が絵里子の身体を受け止めたので、絵里子の身体には痛みなどの衝撃はほとんどなかった。その代償として多少粘り気のある泥が絵里子のワイシャツやタイトスカートの付着し、絵里子の体の前面は上から下まで泥一色で染まっていた。
絵理子はここでどれだけの時間を過ごしたのだろうか。
今日、ここに来たときは太陽が高い位置にあったはずだが、今は西日が気になる時間帯になっていた。泥だらけの状態でバックの中の時計やスマホを取り出すことができず正確な時間は分からないが、体感温度や周囲の明るさから推察すると日暮れが迫っているように絵里子には感じた。
「(もう少ししたら帰らないと!」」
最後の仕上げとばかりに、絵里子は泥の中に体をあずけた。そして、うつ伏せになって這って進んでみた。さっき、ペットボトルをフラッグに見立て、一人ビーチフラッグス何度も楽しんだせいか、体がけっこうきつくなってきていた。這って泥の中を進むにはかなりの体力を必要とするので、ゆっくりとしか這って動けない。
しかし、そのことにより泥の感触をじっくりと感じることができた。
「願望」を満たした絵里子はゆっくり立ち上がり、もう二度と着れないであろう白のワイシャツとタイトスカートが泥まみれになっているのを眺めた。
泥んこ遊びを満喫した絵理子の心は晴れやかであった。(完)
前編「泥まみれ願望」はこちら
(作:ロイ)
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