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2012年3月24日 (土)

内定者対象「日帰り研修」(最終回)


 座禅の結果、女子としては横山瞳だけが滝行を行うことになり、今まさに滝に打たれる為にその場所へと足元を気にしながらゆっくりと移動している。
 水しぶきがだんだん激しくなり、彼女のリクルートスーツのあちこちにかかっている。タイトスカートは半分ほどが水没している。
瞳はスカートの左右のウエストあたりを掴んで上に持ち上げ、これ以上濡れないようにとの仕草をしている。
 絵里子は、瞳のその行動が「自らの意思に反する演技」ではないかという疑いの目で見ていた。考えてみれば、これから滝行で頭から水を浴びるのだから、スカートが濡れないようにとの行為は全く無意味なのである。

 滝の下あたりは水かさが浅くなっているようで、瞳は、ふくらはぎ位までしか水に入っていない。一旦、太腿あたりまで水に浸かったせいで、黒のリクルートスーツのタイトスカートの下半分が水を十分に吸収し色がくっきりと変わっているのが遠くからでも観察できた。

 いよいよ、瞳は滝の真下に体をいれようとした。
 すると、滝行をはじめようとする彼女の写真を撮ろうとスマホを出す者が男子を中心に大勢いた。
 みんな、なるべく近くで写真を撮ろうと、水しぶきがこないギリギリのところまで移動した。瞳までの距離は7、8メートルといったところであろうか。5、6メートルのところまでは水しぶきが届かないようであるが、その場所にいくには、水の中に入らなくてはならないので、当然とはいえ誰も行かない。

 絵里子はレンズという人工物ではなく、自分の目を通して瞳の滝行を観察しようとしている。そのために、みんなと同じくギリギリの場所まで近づいて瞳の表情をじっと見ている。
 その時、一瞬、絵里子は瞳と目が合った・・・。絵里子はハッと驚いた。絵里子のほうを見ながら微笑んだかと思うと瞳は水柱の中に姿を消した。
 「(あの微笑みは何?なぜ私と目が合ったんだろう。)」
 と絵里子は思った。

 そして、数秒すると、頭から滝の水をかぶっている瞳が現れた。今さっきまで水しぶきをかぶっただけで済んでいたリクルートスーツのジャケットやブラウスもずぶ濡れとなっている。水が冷たいからだろう、瞳の表情はこわばっている。目を閉じて、直立不動のままで水を浴び続けている。
 この季節の滝行ということで、一人1分間ずつとなっていた。30~40秒ほど経ち、残りあと半分といったところで瞳はなぜかその場で四つん這いになったまま動こうとしない。突然の出来事にみんな静まり返った。
 「大丈夫かな・・・。」
 「誰か様子を見に行った方がいいんじゃないか!」
 「えー、どうしたんだろう・・・。」
 とみんな口々に言い、心配そうに瞳の方を見ているが、誰一人として行動に移すものはいない。

 次の瞬間、バシャーンと誰かが水の中に飛び込んだ。絵里子だった。
 携帯電話を隣の人に預けるとチャコールグレーのリクルートスーツがずぶ濡れになるのを気にせず、ジャブジャブと池のなかを歩いて瞳の方へと向かっていった。瞬く間に絵里子のスカートはずぶ濡れになりジャケットにも水がとびちって濡れ跡がまだらについている。
 その行為は周りからみれば、とっさに瞳を心配しての勇気ある行動と捉えられているが、彼女の中では違っていた。
 先ほどの座禅中、心の奥底から湧き上がってきた「不思議な感覚」・・・つまり、リクルートスーツ姿でずぶ濡れになってみたいというを強い衝動を実践するには願ってもないチャンスと考えたのだった。そして、いまひとつの動機は、瞳の行動から察知した自分の推測を確かめる為でもあった。

 絵里子は、流れ落ちる滝の水を背中で受けながら四つん這いになっている瞳のもとまでいき彼女の後ろ姿を見た。ずぶ濡れになったタイトスカートにふと目をやると、後ろのスリット部分にしつけの糸が付いていた。
 「(えっ、うそ・・・もしかしておろしたてのリクルートスーツ着てたの?)」
 このことで、座禅の時に瞳に対して感じた「あること」が揺るぎない確信へと変わった。

 絵里子は彼女の顔を下から覗き込んだ。案の定、トランス状態に陥っていて、目がとろんとし、自分の世界に入り込んでいた。瞳は、今置かれている状態・感覚を楽しんでいるようだった。
 絵里子が近づいてきたことに気がつかなかったのか、瞳は急に我に返って上体を起こして顔を上げ、周りをキョロキョロと見渡し、一行の方を一瞥すると、ずぶ濡れのリクルートスーツ姿の絵里子の方に目をやった。
 向こうにいる一行は、瞳のが自ら上体を起こしたことを確認すると、安堵のため息をついた。

 瞳は、自分の表情を間近で見られて、何か変な風に絵里子に思われていないかと気まずい気持ちだった。そのことを察した絵里子の方から声をかけた。
 「横山さん、大丈夫。今、何を考えているかも、どういう気持ちで滝行をしていたかも分かってますから。実を言うと、座禅の時から感づいてましたよ。(笑)」
 「座禅の時から?」
 「滝行が決まったとき、嫌そうな表情じゃなかったし、どこか嬉しそうに見えたましたから。」
 「・・・。」
 「もしかして、服を着たまま水に濡れたりするのが趣味というか、好きなんじゃないですか?なぜか、おろしたてのリクルートスーツを着てますし、今となってはそう確信しています。」

 絵里子から発せられる言葉が全て図星のため、瞳は目を丸くし顔を火照らせた。
 「あの、この事は誰にも・・・」
 「もちろん、誰にも言いませんよ。そのかわり私の事も誰にも言わないでくださいね。二人だけの秘密ということで。」
 「えっ、どういう意味ですか・・・」
 しばらくの間の後、瞳は全てを理解した。二人にはそれ以上の言葉は必要なかった。

 「二人とも! 早くこっちに戻ってきてください。」
 二人のやりとりは水音でかき消されて向こうにいる一行には全く聞こえない。何を話しているのかと、しびれをきらした引率の人事担当者が二人を呼び寄せた。

  戻ってきた二人は全身ずぶ濡れだ。濡れたスーツが二人の体を引き締めているせいもあり、胸やお尻などのラインが一層強調されていた。ジャケットやスカートの裾からはもちろん、髪の毛からも水滴が落ち、乾いていたはずの地面があっという間に水浸しになった。
 無風とはいえ気温は3度。二人とも体が小刻みに震えている。バスタオルをもらうとそれで髪の毛をざっと拭くと肩にかけた。引率担当者は、一行に荷物を持って本堂へ通じる先ほど上がってきた階段を下っていくように指示した。

 滝行を行なった者たちは大浴場へと案内された。この大浴場は、滝行を行なった人たちが体を温めたり着替えなどをするために設けられている独立した施設のようだった。
 絵里子と瞳だけが女性専用の大浴場を独占した。二人の心は踊った。着替えなどが入ったカバンをロッカーの中に入れると、二人は無言で、ずぶ濡れとなったリクルートスーツを着たまま浴室へと入っていた。
 温かいお湯のシャワーを頭から勢い良く浴びた。乾いたリクルートスーツが濡れていく時とは異なる快感が二人を包み込んでいた。(完)

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コメント

>ココーズ さんへ

絵里子と瞳が滝に打たれることになるのは、ご想像通りだったようですね。(笑)

>瞳も絵里子も「こうなるかもしれない」ことを事前に知っていたのでしょうか?
最終回の後なのでネタをバラしますが、
いわゆる「ウェット」に瞳が興味あることを絵里子が見抜いていたことはストーリーの中で判明している通りです。
逆に、瞳が絵里子のことをどのように見ていたか・・・は、
実はストーリの中では曖昧にしています。
しかし、「絵里子は瞳と目が合った・・・。絵里子はハッと驚いた。絵里子のほうを見ながら微笑んだかと思うと瞳は~~」という箇所などに、最後の結末へ導入するための伏線をはったつもりです。

どこまで伝わったか分かりませんが、瞳は、四つん這いになって一行をちょっと脅かせれば、絵里子は何らかのアクションを起こすのではないか(もっといえば、絵里子はリクスー姿でずぶ濡れになりながら自分のところに来るはず)と計算していたことを前提にストーリを書きました。

つまり、瞳は、自分と同じ匂いを絵里子に感じていて、「それを確かめるため」に四つん這いになって、絵里子に「ずぶ濡れになるチャンスを与えた」ことになります。その結果、瞳の推測はあたり、絵里子の願望は叶うことになったわけです。

ついに、待望のクライマックスの登場ですね。
二人が多岐に打たれるという展開は、やはり私の予想どおりでした。
特に、最初の方の「全く無意味な行為」は、その仕草を想像して非常に刺激がありました。
大浴場に入るときは、滝に打たれるときに比べ、
1.暖かいお湯であること
2.すでに濡れていること
からして、気持ちのハードルはずっと低くなっていたかと思います。
それにしても、瞳も絵里子も「こうなるかもしれない」ことを事前に知っていたのでしょうか?もし、知っていたら確信犯ですね。まあ、このあたりは「ご想像にお任せします」ですよね。

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