就活女子大生:着衣入浴への誘い(2)
絵里子はなぜかレバーをそのままにし、しばらくの間、頭からシャワーを浴び続けている。酔っている事も手伝っているのだろうか、もうどうにでもなれ、といった気分だった。黒のリクルートスーツはしばらくは水をはじいていたが、徐々に防水効果が薄れてくると毛の生地に浸みはじめ絵里子の体へと温かい水が流れ込み始めた・・・。
タイトスカートも水がインナーのブラウスを伝わってウエスト部分から徐々に濡れてきた。水がお尻や太股を伝わりはじめると瞬く間にスカートはびしょ濡れとなった。ブラウスはもちろんのこと、下着も上下ともに濡れている。髪の毛から足の先まで全身ずぶ濡れとなり、まるで大雨の中、傘も差さずに雨に打たれたかのような状態である。
気が付くとバスタブには膝丈よりも上くらいまでお湯がたまっていた。絵里子はシャワーを止め、ずぶ濡れのリクルートスーツ姿のままバスタブの中へと浸かる。もちろん、こんな経験をするのは絵里子は初めてだ。過去、夕立に遭遇したときに濡れてしまった事はあるが、その時は濡れたスカートやシャツが体にまとわりつく感覚が気持ち悪くかった。そもそも服が濡れることなんて日常生活の中ではあまりなく、ほとんどの人が忌み嫌うものである。
しかし、今はリクルートスーツ姿のままお風呂に入っている・・・。たまたま頭からシャワーを浴びてしまったことがきっかけで、大胆にもこんな事をしている。絵里子は何ともいえない気分に浸っている。リクルートスーツを着たままお風呂に入る女性なんて、日本広しといえどもどのくらい存在するのだろうか?・・・意外と多いのではないか・・・そう思いながらノブをぐるりと回し、よりいっそう勢いよくお湯を出した。
お風呂に入るとき、絵里子は半身浴を習慣としていて1時間以上バスタブの中で過ごす。入浴剤を入れその香りを楽しみながらリラックスもできる。ただ、今回は事情が違う。リクルートスーツ姿を着たままの半身浴だ。フローラルの香りが充満し、だんだん気持ちが落ちついてくる。お湯もかさを増していき、いつもの入浴と同様で胸の辺りまできたところでお湯を止めた。
ちょっと体があつくなってきたのでジャケットだけを脱いで、タイトスカートと白のブラウス姿で、しばらくの間くつろいでいる。お湯と肌が直に触れるのとは違ってブラウス越しに伝わるお湯の温度や、パンストやタイトスカート越しに伝わるそれが程よくて不思議と気持ちが良い。またリクルートスーツのまま入浴したいと心から欲する自分がいた。
偶発的結果とはいえ今の感覚に、絵里子は二義的ではない悦びを感じている。誰にも言えない自分だけの快楽を求めて・・・。
どのような事がきかっけであれ、女性の中には着衣入浴を一度経験すると、やめつきになってしまう人もいるかもしれません。(それも意外と多いと思われます。笑)
しかし、それを他人にカミングアウトすることはしないでしょう。なぜならば、一人だけで楽しむものだし、恥ずかしくてなかなか他人には言えないでしょうから。皆さんの身近にいる女性も、もしかしたら・・・。 (完)
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