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2009年10月 3日 (土)

教育実習生(8)・・・懐かしい感覚

 日差しの眩しさに絵里子は目を覚ますと、起き上がって体を伸ばしながらカーテンを開けた。窓から外を眺めると、道には水たまりができていた。どうやら、雨は明け方近くまで降っていたらしい。ふと・・・昨日の出来事が頭の中に甦ってきた。着衣水泳教室のこと、帰宅時に雨に打たれたこと、そして背中やお尻部分を泥はねで汚してしまった事を。

 1階に降りてシャワーを浴びた後、台所へ向かい母親と二人で朝食をとった。いつものことだが、絵里子が起きる1時間以上前に、父親は会社、妹は大学の授業に出席するためにそれぞれ家を出ている。したがって、昨日の夜、妹のクローゼットから持ってきたリクルートスーツの事がバレない事は計算済みであった。朝食を済ませると、早速そのチャコールグレーのリクルートスーツに着替えると、クリーニングに出す袋に入った2着のスーツを持ち、いつもより30分程早く学校へと向かった。
 途中、クリーニング屋さんに寄っていくためだ。店主のおばさんには「昨日の夕立で私も妹もスーツが濡れてしまった」という口実でクリーニングの依頼をした。今日の夕方には数日前に出してあったグレーのスーツが戻ってくる事も確認した。

 学校に到着すると、いつもの条件反射で更衣室に行ってしまったが、今日は自習用に着用していた黒のスーツに着替える必要はない。今日は妹から黙って借りてしまったチャコールグレーのリクルートスーツだ。昨日の夜、羽織ったときは感じなかったが、今こうして着ていると、自分の体にもぴったりであった。つまりは、絵里子と妹は体がほとんど同じくらいでお互いの服を借りて着ても自分の服のようにフィットするということを意味していた。

 今日は淡々と授業だけをこなしていくだけだった。さすがに妹のリクルートスーツを濡らしたり汚したりするわけにはいかないので、逆に何かイベントがあっては大変だ。
 昨日から今日の明け方までは雨が降っていたらしいが、今日は朝からは雲一つない良い天気だった。昨日のように雨に降られてしまって、また「不思議な感覚」が目覚めてしまっては妹のリクルートスーツが無事のまま帰宅できる保証は今の絵里子には無い。

 教育実習は佳境に入り、毎日、帰宅前にその日の授業等の指導報告書を書くという作業もあと数回で終わる。今日もいつものように報告書を作成し英語科担当主任と、受け持ちクラス担任の教師に確認をしてもらいサインをもらうと帰宅の途についた。

 校門を出ると自宅とは反対方向に向かった。クリーニング屋さんに寄って仕上がっているはずのグレーのスーツを受け取りに行くためだ。店にいくとおばさんが暇そうに座っていた。グレーのスーツを受け取りにきたことを伝えると、おばさんは、
 「さっき、留守番をさ、主人に頼んでいる間に家族の方が受け取りにいらしたみたいよ。」
 「まさか。母親が来たんですか?」
 「さあ、誰がいらしたのかは聞いていないけど、他人じゃなくて家族の方なのは確かよね。伝票は無くしたと言っていたらしいけど、名前とか住所とか預けたものをちゃんと聞いて、お代もいただいてるようだから。」
 「そうですか・・・。」
 絵里子は、何か腑に落ちないというか、不思議に感じた。
 「あっ、そうそう、今朝預かった2着のスーツ、今さっき仕上がったわよ。今日はお客さんがほんと少なくてね。(笑)早くできたの。」
 「本当ですか!ありがとうございます。」
 今朝預けたスーツがもう仕上がってくるとは思いがけない副産物であった。

 学校に置いておく黒のスーツと、行き帰りに着ていくグレーのスーツを含め自分のスーツが手元に3着戻ってきたことになる。絵里子の頭の中に、ふと悪戯が思い浮かんできた。

 「(明け方まで雨だったんだから、きっと「あの場所」はすごいことになってるかも。クリーニング仕立ての濃紺リクルートスーツに着替えて・・・)」 興奮して鼓動が早くなってきた。なんとか理性で気持ちを抑え、まずは「あの場所」を確認してから行動に移そうと心を落ち着かせた。クリーニングから戻ってきた2着のスーツをビニールカバーの中に入れて手に持った絵里子は妹のリクルートスーツ姿で歩き出した。

 「あの場所」が徐々に見えてきた。案の定、雨の後ということで一面ぬかるみや水たまりができていた。ここから直ぐ近くのスーパーのトイレに行って、クリーニング仕立ての濃紺リクルートスーツに着替えて来ようと・・・思い始めていた。それにしても、いい具合のぬかるみである。
 絵里子はじばらくその光景をじっと見つめていると、今にもこの格好のまま泥の中に飛び込んでいきそうな気持ちになった
。しかし、妹のリクルートスーツを泥だらけにするわけにはいかないという罪悪感で絵里子の心は葛藤していた。

 「やっちゃえば!」という声が聞こえてきた。もう一人の絵里子の心の中の声か?
 「やっちゃおうよ!」とさらに大きな声が聞こえ、絵里子は、はっとして後ろを振り返ると心臓が止まりそうなほど驚いた。。
 そこには何と妹の絵理香が立っていた。
 「・・・ど・・・どうしてここにいるのよ?」
 「私、お姉ちゃんの秘密知ってるの。教育実習の初日・・・。それに昨日も、ハイヒール汚れてたでしょ。」
 「あっ、まさか!」
 「実習初日に、お姉ちゃんがここで泥だらけになっているのを、偶然見つけて、あそこからずっと観ていたの。」
 「・・・。」
 「昨日だって玄関にあったヒールがちょっと汚れてたし。それに、自分の部屋に入ってクロゼットを誰かが開けたってすぐに気が付いたわ。中をみたら私のリクルートスーツがなくなっていたから・・・。」
 「全部知ってたのね・・・。このことは・・・。」
 「大丈夫よ、お父さんにもお母さんにも言わないわよ。そう言えば、私たちがまだ小さくて、ここがまだ公園だった時、お姉ちゃんと一緒によく泥んこ遊びしたよね。一緒の場合もあったけど、大抵は、お姉ちゃんの【腹いせ】で私の服だけ泥だらけにされて、お母さんに怒られたわ。」
 先ほどは、あまりにも突然の出来事でびっくりして、妹の着ているものに目がいかなかったが、今、じっと観てみるとグレーのスーツ姿だ。
 「あっ、そのスーツ私のじゃない!クリーニング屋さんに行ったのって・・・。」
 「うん、私よ。お姉ちゃんだって人のを勝手に着てるでしょ?それに、今さっき泥だらけになろうとまで考えたりしてたでしょ。」
 「・・・。」
 「お姉ちゃんが最近買ってもらったばかりのこの大切なスーツ姿で泥だらけになろうかな。お母さんに怒られるかな?」
 「【腹いせ】のつもり?」
 「やだ、私のこと、そんな妹だと思ってる?」 
 絵里子は絵里香の目をみた。すると、視線は眼前のぬかるみに落ちていた。
 「【腹いせ】だなんてさっき言ったけど、そんなの今となってはどっちだっていいわ。そんなことより、私は、お姉ちゃんと一緒に泥んこ遊びしたあの時から・・・既に・・・。」
 「あの時から、何?」
 「みんなに内緒で、私一人だけで・・・時々、今でも・・・こんなことして遊んでるの。スーツでやるのは今日が初めてだけどね!」
 「あっ、絵理香!」
 遅かった。絵理香はクリーニング仕立てである絵里子のグレーのスーツ姿で既にぬかるみの上でうつ伏せになっている。スーツの背中やお尻は埃一つなく綺麗だが、スーツの前がどんな状態になっているのかを想像すると恐ろしくなった。恐ろしいと同時に、絵理香の事を羨ましく感じ、徐々に胸が高鳴ってきた。そして・・・。

 「早く!おねえちゃんも、私と一緒にやっちゃおうよ!昔のように・・・。今まで誰にも言えなかったけど、お姉ちゃんも私と一緒なんだって最近知って嬉しかった・・・。今日まで言えなかった。」
 絵里子も妹のチャコールグレーのリクルートスーツを泥だらけにするまでに、さほど時間はかからなかった。お互い相手のスーツを着合って泥んこ遊びに興じている。絵里子も絵理香も10年以上前にタイムスリップしていた。お互い「自分だけの秘密」と思っていたが、こんな身近なところに秘密を共有できる相手がいた。
 
 相手が着ている「自分の」スーツや顔に泥を塗りたぐり合ってはしゃいでいる。そして、うつ伏せになったり仰向けなったりして、おもいっきりスーツを泥だらけにしていった。二人とも今までに経験したことがないほど全身泥だらけになっている。
 タイトスカートとジャケットの境目がもはや分からないほどスーツは泥だらけになっていて、お互いの顔や髪の毛にも泥が付いている。後で蛇口からの出した水でお互いの汚れを綺麗に落とし合うことができる事を知っていた。

 「・・・懐かしい感覚だね。絵理香。」
 「うん。」
 過去の感覚を共有し合う二人にとって言葉はそれ以上必要なかった。これからも時々、こんな遊びを二人でしていくことになるだろう。直感的にそう感じ合っていた。
~(最終回)へ続く~

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コメント

>てつや さんへ
最終回は、日も改まり、まったくべつのシチュエーションです。
妹は出ません。絵里子単独のストーリーです。

>カナ さんへ
姉妹揃って実践派フェチでした。(笑)
家族でもお互いなかなかカミングアウトできないですよね。

すごい展開になりましたね(笑)
絵里子さんと絵理香さん、ともに泥んこ遊びが大好きだったんですね。
公園跡の造成地だったので泥の色は多分ですが灰色か黒色だったと想像できます。
小説からいきますと2人はどろレスごっこもしたと考えられるシチュですね。それにかわいい顔もほっぺたが泥んこパックしたようにも想像でき萌えますね(笑)
すばらしい出来でしたので最終話が非常に楽しみになってきました(笑)

まさか妹本人が登場するなんて!
しかも一緒に泥んこになるなんて!

家族になりたい…

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