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2020年12月

2020年12月31日 (木)

留学前に二人で水かけ祭り…ストーリー公開

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 絵里子は約数か月後にタイへの語学短期留学を控えている。つい最近、大学主催の留学希望者を対象にしたオリエンテーションが開催され、そこで自分と同じようにタイに留学する予定の結愛という女子学生と出会い、意気投合した。留学先の大学が同じということではなかったが同じバンコク市内の大学ということで、留学した暁には一緒に家を借りてシェアしようということになり意気投合した。そして二人は仲良くなり親友となった。短期留学を前にして二人はよく会ってはランチをしたり、テスト勉強をしたり、遊びにいったりといつも一緒に行動するようになった。

 そんなある日の事、留学時は大学生も制服着用が義務付けられているという珍しい習慣の事や毎年四月にタイ国を挙げて開催される水かけ祭りという仏教国ならではの大きなイベントの話におよんだ。現地の女子学生たちは学校帰りに否応がなくずぶ濡れにされてしまうらしい。神聖な水を浴びることは有難いことであり、水をかける方も合法的に他人に水をかけられるのだ。二人も、水かけ祭りの時期は制服のまま参加する羽目になるらのだろうと想像した。

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 二人は留学に備えて既に何セットかの制服スカートとブラウスをインターネットで現地から購入していた。常夏の国なのでブラウスは毎日、スカートも二日に一回は洗濯しなくてはならないだろう。色々と話がはずみ、留学前に二人で水かけ祭りがどんな感じになるのか体験しようということになった。晩夏のある日、二人は留学時に着用する制服を着て、露天風呂のあるとある場所に行った。絵里子はなぜか長袖ブラウスに地面に着きそうなほどのロンづタイトスカート、結愛は半袖ブラウスに膝下のやや丈の長いタイトスカート姿であった。

 二人は真新しいお互いの制服姿を眺めながら意を決したようにバスルームへと歩み寄る。そしてシャワーをかけあたり、桶でお湯をすくってそれを掛け合って楽しむ。ブラウスはあっという間に濡れて下着が透けてしまった。なんとなく罪悪感を感じながらも二人はスカートやブラウスのいたるところに水を掛け合って全身をくまなく濡らそうとする。いっそのことお風呂に入っちゃえば一気にずぶ濡れになれるということで、二人でバスタブの中に仲良く浸かってみる。スカートの中に空気が入りブクブクと泡が出てきたり、濡れた服が体を引き締めたりと今まで経験したことない感覚を味わった。
 お互い水ではなく温かいお湯を掛け合っている上に、お風呂の中にもしばらく浸かっているので、体がだんだんあつくなってきた。

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 すると二人は相手のブラウスの一番上のボタンをはずし合った。お互いブラがチラッと見える程度になり、そこから空気が入って心地良い涼しさを感じた。バスタブに浸かりながら水を掛け合ったり、相手を中腰にしてお尻を突き出させてはそこに水をかけたりと、思いのまま自由に水かけ祭りの疑似体験をして楽しい時間を過ごすのであった。

 二人は服を着たままここまでずぶ濡れになるという経験は初めてだった。もちろん、服のままお風呂に入るなどついちょっと前までは考えてもみなかったことだ。しかし、二人は服のままお風呂に入った時の感覚が意外にも気持ち良いことを知ってしまった。
 絵里子と結愛はお互い言葉には出さないものの、また一緒にここに来るであろうことを予感していた。バスタブから出ると二人は手をつないで帰り支度をしようと露天風呂を後にした・・・。

2020年12月30日 (水)

ずぶ濡れの思い出…DL販売開始

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 本日から「ずぶ濡れの思い出」のダウンロード販売を開始致しました。(デジタル写真集の販売は行いません。動画のみの販売になります。BD/DVD「面接で着衣水泳」(ウェットシリーズ:商品番号DW33)に収録する3シーン目(最終シーン)となります。

 この作品は、先日ブログで公開したストーリー「ずぶ濡れの思い出」をもとに映像化したものです。SCHOOL WET SPLASH multipleさんのSNSや私のこのブログのコメント返し欄などからも既にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、「面接で着衣水泳」の一連の作品(3部作)はSCHOOL WET SPLASH multipleのオーナーこと「あんちゅう」さんとモデルさん(蒼井ももさん)と場所(プール付き別荘)をシェアしての撮影でした。

 本来は、あんちゅうさんとの共同企画「WETGIRLS」のコラボレーション撮影の予定でした。しかし、2人のうち1人のモデルさんが数日前にご家族のご都合でどうしても不参加せざるをえない状況になってしまったため、あんちゅうさんと相談し それぞれのオリジナル作品制作へと切り替えてモデルさん1人体制で撮影することになったというわけです。
 撮影を行った場所は通常夏場はかなりの人気で確保するのが難しいので(しかも今年はコロナ渦で例年とは異なる状況でしたので場所の確保および撮影許可申請に関して苦労しました。)、今回を逃したら次、いつまたみんなの予定が合うか、さては撮影できるような世の中の環境下であるか・・・一部天気サイトでは大雨の予想も出ているではないか・・・などなど様々な困難があり難しい判断を迫られましたが、撮影前日に「撮影敢行」の決断をあんちゅうさんとし、我々以外の撮影同行者であるモデルさん、運転スタッフ・サブカメラマンに撮影実行ということを伝えたのです。あんちゅうさんは「もっている」お方なので(笑)、撮影当日は素晴らしい天気に恵まれ(水温はやや冷たかったですが)、私もあんちゅうさんも予定通りの撮影ができた次第です。

 普段は私はもちろんリクルートスーツやOL制服
、あんちゅうさんは女子高校生制服を着用した作品制作を各々のサイトでおこなっています。しかし、同じモデルさんと場所をシェアしてのお互いのサイトの作品制作なので、初の試みとして、お互い衣装を貸し合って私は「スーツから女子高校生制服」に着替えるシーン、SCHOOL WET SPLASH multipleさんは「女子高校生制服からスーツ」に衣装チェンジした作品も採り入れようということで実現したのが、この「ずぶ濡れの思い出」というシーンなのです。
 SCHOOL WET SPLASH multipleさんの方ではもちろん、女子高校生制服やブルマなど女子生徒着用の衣装にこだわった作品がいずれリリースされていくはずですので、ぜひともあんちゅうさんの作品もご覧になって下さい!

 さて、撮影後記がちょっと長くなりましたが、「面接で着衣水泳」シリーズの3シーン目「ずぶ濡れの思い出」の内容です。
 ★本作品のストーリーは「ブログ記事:ずぶ濡れの思い出」をご参照ください。
 

  

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 とあるプール施工会社に就職して数ヶ月が経ち、絵里子は社会人として忙しい日々を送っていました。
 ある日、高校の水泳部時代の友達から久しぶりに連絡をもらい胸が躍ります。それもそのはず、その友達とは「着衣水泳仲間」で、高校時代以来、二人で何度もプールや海に制服やスーツ姿のまま着衣水泳に行っているのでした。
 しかし、お互い社会人になって忙しいこともあり、絵里子もしばらく「ウェット活動」から遠ざかっていました。その友達からの着衣水泳の誘いを絵里子は快諾します。

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 絵里子の会社はプール施工会社だけあって、社員の福利厚生の一環として、予約さえできればいつでも自由にプールを使えるのでした。絵里子は友達とそのプールに行き、着衣水泳を久しぶりに楽しみます。今日はクリーニング前の会社の制服で泳ぐことにしました。会社の制服での着衣水泳は初めての経験です。
 そして、絵里子はなんと高校時代の制服であるセーラー服を密かに持参します。友達の目の前でそれもプールの中で会社の制服からセーラー服へと着替えます。そして、セーラー服で高校時代に戻ったような気分でクロールや平泳ぎ、背泳ぎを披露します。

 会社の制服と高校の時のセーラー服と2着もの衣装で贅沢な着衣水泳を楽しんだ後は、プール脇にある温水シャワーを浴びてリラックスします。
 プールの水は晩夏ということもあったのかちょっと冷たかったので、温水を浴びてまるで極楽気分に浸ります。そして、今年最後となるであろう着衣水泳を寂しく感じるのでした。
 

■ずぶ濡れの思い出(DW33-3)
 動画本編20分(2400円) ➡ 購入ページ
 ※本作品のデジタル写真集の販売は行いません。

2020年12月25日 (金)

先輩にリクルートスーツを切り裂かれ

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 本日から「先輩にリクルートスーツを切り裂かれ」のダウンロード販売を開始致しました。(デジタル写真集の販売は行いません。動画のみの販売になります。)本作品はダウンロード販売専用作品となります。。

 
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 入社して間もない新入女子社員が研修期間中に先輩に頼まれた仕事でミスをしてしまい迷惑をかけてしまいます。
 ちょうど今日で研修も終わる為、明日からは社内では制服着用となります。そのため、もう必要なくなるリクルートスーツを切り裂かれるというお仕置きを先輩からうけることになりました。

サンプル動画はウェブサイトで公開 

■先輩にリクルートスーツを切り裂かれ
 動画本編11分(1600円)  ➡ 購入ページ
 

2020年12月23日 (水)

ずぶ濡れの思い出…ストーリー公開

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 絵里子は社会人になってからというもの、仕事で多忙を極め、楽しみの一つとしている着衣水泳をする機会をなかなか持てずにいた。もうすぐ夏服から冬服へと衣替えとなる時期である。それだけ絵里子は時間がないことを物語っていた。
 普段、通勤ではスーツを着ているものの会社内では制服着用が義務付けられていた。会社の夏服制服は絵里子のお気に入りのかわいらしい制服であった。黒のマーメイドスカートに白の長袖リボンブラウス、グレーのチェック柄のベストである。絵里子は会社の顔ともいえる総務部の配属で、社内のみならず社外の取引先との接触もあり、制服の着こなしには日ごろから気を遣っていた。

 ある日の事、高校時代の友達から久しぶりに連絡がった。夏がもうすぐ終わってしまうので夏の最後の思い出に「例の遊び」をしに行こうという誘いのメッセージだった。「例の遊び」とは、絵里子と彼女の二人の間では着衣水泳の事である。二人は高校時代に同じ水泳部出身で、ひょんなことから二人は「着衣水泳仲間」になったのであった。

 というのも・・・高校三年生の時、引退前の秋季水泳大会後に後輩たちに悪ふざけで学校の室内プールに制服のセーラー服のまま突き落とされ、みんなでプールへの落とし合いをしたのであった。その経験をきっかけに絵里子とその友達は服のまま、それも制服やスーツといったような普段は絶対に濡らしたり汚したりしないように注意して着る服装のまま濡れることが、いつしか共通の趣味・遊びとなっていたのである。
 就職活動中には面接で何度かリクルースーツ姿でずぶ濡れになった絵里子であったが、大雨やゲリラ豪雨の日には、わざわざなんと私服からリクルートスーツに着替えてはずぶ濡れになって近所を歩いて一人で楽しんでいた。そして、帰宅してそのままお風呂に入ったりもした。しかし、プールで遊ぶとなると一人でいく勇気がなかなか持てずにいたのである。
 そして、雨の中のずぶ濡れ体験、着衣入浴を何度も繰り返しているうちに、新鮮味がなくなってしまったこともありいつの間にか服のままずぶ濡れになるという行為から遠ざかっていた。気が付くと夏も終わりに近づいていた。社会人になって仕事も忙しくなってきたせいもあり、ここ2カ月ほどは趣味である「ウェット活動」を忘れてしまっていた。
 ・・・そんな時に、高校時代の「着衣水泳仲間」からの誘いに絵里子は久しぶりに胸が躍った。

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 絵里子は当然、友達からの誘いを快諾した。就職先のとあるプール施工会社のプールで遊ぶことにした。社員の福利厚生の一環として予約さえすれば無料で家族や友達を誘ってプールを自由に使えるからだ。もちろん先約がないことが条件ではあるが、二人が希望する日は終日空いていたので予約を早々に済ませた。

 待ち合わせ当日、絵里子は何度も面接で着衣水泳をしてずぶ濡れにしたことのあるリクルートスーツを着てプールへ出かけようとしたが、会社の夏服制服を近々クリーニングに出すために自宅に持ち帰っていることを思い出した。会社の制服は、替えも一式支給されているので、ずぶ濡れにしても乾かしてからクリーニングに出せば何の問題もなかった。絵里子にとって、会社の制服でプールで遊ぶのは初めての経験だったので楽しみであった。
 
 会社の制服姿の絵里子は、プールサイドの椅子に座って友達がふざけて水をかけてくるのをうずうずしながら待っていた。すると友達は絵里子の期待通りにシャワーの水を勢いよく絵里子の制服のスカートめがけて攻撃した。徐々に濡れていくが、全身ずぶ濡れとまではいかなかった。
 今度は絵里子の反撃だ。友達に向かって手桶ですくったプールの水を何度もかけていく。水の掛け合いに飽きた絵里子はプールに入って遊びたくなってきた。
 「一緒にプール入ろうか。」
 二人は着衣水泳をしばらく楽しむと、絵里子はプールサイドでベストを脱いでブラウス姿になって再び着衣水泳を試みた。ベストを着ている時よりも上半身が動きやすくなり、のびのびと泳ぐことができた。しばらくすると友達に絵里子は話しかけた。

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 「高校時代の制服・・・実は今持ってるんだ。着替えて一緒に泳ごう。」
 「絵里子ったらずるいよ、私は制服持ってきてないよ。言ってくれれば私も持ってきたのに・・・あの時みたいに一緒に高校のセーラー服で泳ぎたかったな!」
 「私・・・プールの中で制服に着替えちゃおうかな!」
 すると、絵里子はプールの中央へと移動すると、友達に絵里子のカバンから制服を取り出すように言った。友達が絵里子の制服を取りに行っている間、絵里子はプールの中で今着ている会社の制服をブラウス、スカートと次々に脱いでいき下着姿になった。すると、胸の鼓動が高くなるのを感じながら友達に笑顔で呼びかけた。

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 「制服ちょうだい!」
 すると、友達はプールの中にまずは濃紺のスカートを投げ入れた。スカートを穿き終わると次に濃紺の長袖セーラー服、赤のスカーフが投げ入れられた。高校時代の冬服セーラー服に着替え終わると、当然のことながら既にずぶ濡れの状態だ。ずっしりと水にぬれた重たいセーラー服が絵里子の身体を締め付けていた。
 高校の水泳部時代にやったように、セーラー服のままクロールや平泳ぎをして懐かしい思いに浸った。友達はセーラー服で気持ちよさそうに泳いでいる絵里子を羨ましそうに眺めている。

 絵里子は泳ぎ疲れるとシャワーのあるところまで歩いていき、温水を頭から浴びて癒された。着衣水泳とはまた違った感覚が心地よい。
 晩夏の風が思いのほか冷たく感じる。今年はこれで着衣水泳も終わりであることを悟ると同時に来年へと想いを馳せるのであった・・・。

2020年12月20日 (日)

「教育実習生の着衣入浴」BD・DVD販売開始

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 本日12月20日からウェットシリーズ:商品番号DW32「教育実習生の着衣入浴」のDVD/BDの販売を開始いたしました。
 
 今年の7月、8月、11月
に XCREAMにてダウンロード販売してきました「就活女子の息抜き(26分)」「着衣入浴リモート実習(21分)」「講義後のひととき(11分)」の合計3シーンを収録しております。
 合計収録時間は58分で一般店舗や提携先のネットショップでの一般販売価格は税抜で6000円です。

 
 「OLS直販」はもちろんのこと提携先ショップ様からでもご購入いただけます。販売開始のタイミングは各ショップ様・店舗様の裁量に任せておりますので、発売がOLS直販開始日と数日前後する場合もあります。
 
 DVD版は、「フェティッシュワールド本店」様、「アキバコム系列店舗(一部)」様、「OLS直販」での販売となります。尚、BD版に関しましてはOLS直販のみの対応となります。

 直販でご購入を希望される場合は送料・消費税・代引き手数料(代引きをご希望の場合)は無料とさせていただきます!
 ホームページのDVD/BDショップのカートシステムからご注文ください。銀行振り込みと日本郵便の代金引換のどちらをご希望かは、ご注文を承り次第こちらからお送りする確認メール(自動応答メールとは別にお送りするもの)のご返信の際にお知らせください。






2020年12月11日 (金)

農業体験で未来の自分が…DL販売開始

 本日から「農業体験で未来の自分が…」のダウンロード販売を開始致しました。
 本作品は、BD/DVD、「屋外泥んこMESSY作品集12 ~災難だらけの就活女子~(メッシーシリーズ:商品番号DM21)に収録する3シーン目となります。


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 本作品は、先日ブログで公開したストーリーをもとに映像化したものです。 

 絵里子は農業関連会社からの内定をもらい、今日はその会社主催の農業体験日となっていました。農業体験の後に先輩社員との懇親会もあるということでスーツ姿です。
 ただ、今日はリクルートスーツではなく社会人になってから着ようと購入してあった薄いストライプ入りのダークグレーのスーツにかわいいボウタイブラウスを着て参加することにしました。  

 農業体験とはいえ、本格的なものは入社後になっているので今日は水田に入って泥の感触を足で感じながら草むしりをしたり、農家の方から話を聞くだけです。
 しかし、その草むしりの最中に災難が絵里子を襲います。

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 なぜか、「死なないで、伏せて!」という自分の声がどこからともなく聞こえます。同時に雷のものすごい音にびっくりし、ためらいながらも身を守るために泥の上に伏せます。
 気が付くとおろしたてのスーツやブラウスが泥だらけになっていました。未来の自分に守ってもらって命拾いしたと感じた絵里子は 「あの感覚」がふと心の奥底から沸きあがってきます。
 それはリクルートスーツ姿で泥だらけになった体験の記憶とその時の快感です。しばらく封印していた泥んこ遊びを実践します。すでに汚れてしまっているスーツをもっと泥だらけにしていくのでした。


■農業体験で未来の自分が(DM21-3)
 動画本編29分(2800円)  ➡ 購入ページ

 

2020年12月 5日 (土)

農業体験で未来の自分が…ストーリー公開

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 絵里子は精神的な苦境も乗り越え、なんとか内定を勝ち取ることができた。
 今日は内定をもらった農業関連会社が内定者を対象に実施する農業体験の日となっていた。朝から天気は曇だ。カンカン照りの陽気だと汗びっしょりになるので、このくらいがちょうど良いと絵里子は思った。
 今日実施される農業体験は、そこまで本格的なものではなく、くるぶしからふくらはぎ位までの深さの水田に入って、草むしりをして、農業のイロハの話を農家の人から聞くというものである。農業に関連する業務を行ったり、農作物を農家から買い取って販売なども行っている企業なので、実際に農業の大変さを学んでいくという入社後の研修へとつながる内定者への初歩的なプログラムである。
 実際に春になって社会人としてスタートするときは泥だらけになって行う作業もあるのでジャージなど汚れても良い恰好で行うのであるが、内定者への農業体験はよほどのことが無い限り服が汚れることはない。会社からは万一のために着替えを持ってくるように注意喚起もされているが、農業体験にはみんなスーツ姿で参加するのが通例となっていた。農業体験のあとは先輩社員たちとの懇親会も控えているため、着替えの手間・時間を省くというのが理由だ。

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もちろん、絵里子もスーツ着用で参加している。周りの女子内定者を見るとリクルートスーツ姿も散見されるが、社会人になることを意識してか薄いストライプの入ったものや、格子柄のものなどのフレッシャーズスーツを着ているものの方が多いようだ。
 絵里子は先日仕立てたばかりのダークグレーのスーツだ。オーダーメイドだけあって体にぴったりフィットしている。スーツの生地には薄い白の格子柄が入っている。ブラウスはちょっとOL気取りでかわいらしいボウタイブラウスだ。スーツもブラウスも社会人になってから通勤時に着ようと思っているスーツであるが、絵里子は今後もスーツを買い増す予定なので、社会人になってから着るつもりで購入した1着目のスーツを先取りして着てみたいと思ったのだ。

 いよいよ農業体験が始まろうとしていた。絵里子がずっと遠くの方に何気なく目をやると青空が垣間見えるのに、絵里子たちがいる田んぼの真上はいつのまにかどんよりした分厚い灰色の雲に覆われていた。何かにとりつかれたような不思議な感覚になってきた・・・

 そんな空模様にはみんな気が付いていないのだろうか、年配の男性が農業体験の始まりを宣言し、手始めに1人5本の雑草を取るようにとの指示が出た。絵里子を含め、参加者はみんな着替えをもってきているようだが、スーツに泥ハネがとんだりしないように注意しながら、水田の中に入った。
 参加者は泥の感触を足裏で感じながら、注意しながらゆっくり歩いて指示に従いながら草むしりをはじめた。男子たちはパンツを太腿くらいまで上げて洗濯バサミやゴムで裾が落ちないようにしていたが、女子たちはタイトスカートを捲ったりして丈を短くするわけにはいかないので、ほとんどの女子が膝丈前後であった。
 そのため、うっかりしゃがんだりでもしたらスカートの裾が泥水で汚れてしまう事になるので、絵里子も細心の注意を払いながら草むしりをしていた。

 

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 「【あぶない、伏せて!】」
 「(・・・今の声、何だろう?)」
 絵里子は、どこからともなく聞こえてきた声にはっとした。
 「【死なないで、伏せて!】」
 「(私の声?! なになに・・・どうなってるの?)」
 周囲を見渡すが何事もないように草むしりをしている参加者たちの様子からすると絵里子にしか声は聞こえていないようであった。伏せてといっても、何のためなのかが理解できなかった。
 こんな状況で水田の中で伏せたらせっかくのスーツが泥だらけになってしまう。就職活動中にリクルートスーツのまま泥だらけになり、スーツのまま泥だらけになることの楽しさ・快感を感得したとはいえ、さすがに今着ているスーツを泥だらけにすることはできないと思った。
 それにしても、自分の声で、あぶないとか、死なないで・・・といった言葉が聞こえてくるのが何よりも不可思議な現象であった。
 「ゴロゴロゴロ・・・
 絵里子のみならず、水田にいる者すべてに聞こえる雷鳴であった。
 「みなさん!念のため一旦畦道に上がってください。」
 「ゴロゴロゴロ・・・ゴロゴロ、ドカーン!
 「【死なないで、伏せて!】」
 尋常じゃない音量の雷鳴への恐怖と、どこからともなく聞こえてくる切迫し先ほどよりも大きな自分の声に絵里子は反応した。

 ・・・・・気が付くと絵里子は真新しいスーツのまま水田の中にうつ伏せになっていた。どれほどの時間が経ったのだろうか。一瞬だったのか、数分だったのか・・・・さえも分からなかった。呆然としながらゆっくりと立ち上がる。
 確実なのは、畦道にいる心配そうな表情と安堵の表情が入り混じった参加者たちや先輩社員たちの視線を一手に浴び、水田のど真ん中で「生きている自分」が泥だらけのスーツ姿で存在しているということだった。

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「(何があったの? 私・・・どうしたんだろう? あっ、雷は?)」
 空を見上げると先ほどの空模様とはうって変わって青空が広がっていた。
 「(・・・!・・・・さっきの声、間違いなく私の声だった。あれって、もしかして未来の自分の声?・・・でも、もし雷に打たれて死ぬ自分がいるとしたら、未来にそのことを知る私なんて存在しないはずだし・・。あっ、大学の量子力学の授業で聞いたことがあるパラレルワールドのこと?・・・どこかの世界に存在する自分が絶命する寸前に自分にむけて発した心の叫びだったのかも・・・。)」

 絵里子は、今「この世界」に間違いなく存在している!
 それだけで十分だと思った。社会人になってから着ようと思っていた真新しいスーツが泥だらけになってしまったことは「些細な事」であった。喜ばしい感情がふと心の奥底から沸きあがってきた・・・。
 しばらく封印していたはずの「あの感覚」をまた呼び起こしてしまった。