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2009年8月25日 (火)

教育実習生(3)・・・実習初日【午後編】

 午後からはいよいよ絵里子にとって初めての実習授業の開始であった。英語担当の主任教師と一緒に3年生の教室へと向かった。窓から外を眺めると、先ほどよりも雨足が強くなってきたようだ。こんな雨の中「避難訓練」が実施されるのだろうか。
 「どうか雨が止みますように・・・。」 絵里子は雨のことだけが気になって仕方なかった。
 今、絵里子は自分で教育実習のために購入した黒のオーダーメイドスーツに身を包んでいる。昨日おろしたばかり
だ。こんな格好で雨に打たれてスーツ姿でびしょ濡れるなんて嫌なのは言うまでもない。

 午後から受け持ちの授業が2つあったが、そつなくこなした。初日の授業としてはなかなかの出来だと英語科担当教師からの評価も上々だった。嬉しい反面、「避難訓練」のことが気になって頭から離れないでいる。時間はどんどんと経過し、下校時刻へと近づいていた。ひょっとして避難訓練は急遽中止になったのだろうか?

 絵里子は帰りのホームルームのために担任が待つクラスへと戻ると、制服へと着替えて帰りの支度をしている生徒やユニフォームやジャージに着替えて部活動の準備をしている生徒で騒がしかった。担任の体育教師はジャージ姿で教壇に立った。
 外を見ると雨は奇跡的にあがったようで、雲の切れ目から時折晴れ間が見える。しかし、山の天気は本当に変わりやすいのでまだ油断はできない。避難訓練をやるなら今がタイミングではないのか・・・と彼女は心の中で願った。担任は淡々と帰りのホームルームを始め明日の連絡事項などを生徒達に伝えている。絵里子は黒のスーツ姿で担任の側に立っている。

 「起立。礼。さようなら。」
 日直当番の生徒の号令で、ホームルームが終わってしまった。あれっ・・・?どういうことなのか絵里子は分からなかった。
 「先生、避難訓練は・・・今日は無くなったんですか?」と言うと、担任は、にこっと笑うだけで何も言わなかった。

 絵里子は職員室に戻って指導報告書などを作成し、時計を見ると、もうすぐ午後4時になろうとしていた。担任や英語科主任に書類等を見せ、チェックの押印をもらった事でようやく実習初日が終わった。充実感に満ちた思いで彼女は更衣室にいき、帰り支度を始めた。黒のスーツから帰宅のためにグレーのスーツへと着替えた。黒のスーツは明日以降も学校で着用するので綺麗にハンガーにかけロッカーの中にしまった。そして、カバンを持って教師専用の出入り口へと向かった。

 グラウンドでは野球部やサッカー部の部員達が熱心に練習に打ち込んでいる。雨の後でぬかるんだグラウンドの上で、サッカー部員はユニフォーム姿でボールと格闘し、野球部員は守備練習で白球に飛びついてユニフォームを真っ黒にしている。そんな生徒の姿を見ながら、グラウンドの脇を絵里子は歩いて帰宅しようとしていた。すると、突然、サイレンの音が鳴り始めた。数回鳴った後・・・、
 「避難訓練。避難訓練。只今、大きな地震が発生。校舎内にいる者は近くの教室の机の下で次の放送が入るまで待機せよ。外にいる者は校舎から離れて速やかにグランドの真ん中に移動せよ。」

 まさか、こんな時に・・・と絵里子は思った。

 絵里子は他のどの先生よりもグラウンドの近くにいたため、担任の体育教師や他のベテラン教師が来る前に既にグラウンドで集まってきた生徒達をまとめていた。2回目の放送が入る。

 「避難訓練。避難訓練。揺れがおさまったので校舎内にいる生徒は近くの教師の指示に従ってグラウンドに移動せよ。ただし、1階職員室横の給湯室より火災発生。西側通路より避難せよ。」

 校舎内にいた生徒達や先生方も続々とグラウンドに集まってきた、下校時間帯ということもあり部活動をしている生徒達数十名と数名の教師しか学校には残っていなかった。あまりにも現実的すぎる抜き打ち訓練といった感じだ。そして絵里子を含め教職員スタッフは生徒の数の把握し、所属クラスごとにならばせるよう教頭より指示を受けた。
 火災も起きたという想定なので東側のプール付近には消防車も到着しており、水源としてプールから水を吸入している。そして、本番さながら・・・ホースから散水される。訓練故、さすがに給湯室に散水はできないので、プールに向けて放水が行われた。

 水しぶき・・・?・・・が頭の上から落ちてきた。絵里子は、ホースから散水されたものがこんな離れた所までとんでくるなんて変だと感じた。上を見ると、いつの間にか、空は雲に覆われていた。
 再び、雨が降ってきたのだ。ポツポツと降り始めたと思うと、突然、ザーザー・・・と大粒の雨が降り注いできた。夕立だ。
 生徒も先生達も、突然の夕立に唖然としてその場に立ちつくしている。おろし立てのスーツに身を包んだ絵里子も同様である。新品のスーツということもあり、雨をある程度はじいているが、このどしゃ降り
ではひとたまりもなく頭から首筋を通して流れていく雨水がブラウスを濡らしていき次第にタイトスカートへとしみわたっていった。ジャケットも徐々にグレーから黒っぽく変色しはじめてきた。

 夕立が降り始めてまもなく、ゴロゴロと雷が鳴り出した。女子生徒達はキャーキャー声を上げ怖がっている。ピカッと光った。危ない!避難訓練だったはずが、今は、夕立の中、リアルに雷から身を守らなくてはならない状況に陥った。 

 担任の体育教師が中心となって校舎からもっとも離れたグラウンドにいる生徒達を避難させようとした。小走りで校舎を目指していく。絵里子もずぶ濡れのスーツ姿で校舎を目指す。すると、またゴロゴロ、ゴロゴロと鳴った。体育教師が「危ない!低い姿勢になって!」と大声でさけんだ。生徒達や絵里子は言われるままに、しゃがんだ。すると、「まだ高い!先生のようにして身を守らないと危ない!」とジャージ姿の体育教師は雨でぬかるみ水たまりとなっているグランドにためらいもなくうつ伏してみせた。制服姿の女子生徒の中には躊躇するものもいた。スーツ姿の絵里子もそれは同じで、びしょ濡れのスーツ姿でしゃがんでいるのが精一杯だった・・・。 ~教育実習生(4)へ続く~

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