ダウンロード販売

  • 動画ダウンロード販売
    Office Lady Special関連の作品のうち、ダウンロードで購入可能な作品の一覧です。分野別、ブランド別に整理してあります。
  • 写真集ダウンロード販売
    Office Lady Special のほとんどすべての作品をGcolleにてダウンロード販売しています。お好きな作品のみの単品販売からお得なセット販売まで対応。
Powered by Six Apart

« 飲みこぼしMESSY! | メイン | フェチな面接 »

2009年8月31日 (月)

教育実習生(4)・・・実習初日【帰宅編】

 制服姿の数名の女子生徒とスーツ姿の絵里子はずぶ濡れの状態でしゃがみ込んで、頭を下げて、できるだけ低い姿勢を保とうとしている。濡れてしまったのは仕方ないが、泥で汚れたくはないと思っているのだろう。
 しかし、さっきよりも大きな雷音が何度も轟き雷光が走ると、さすがに身の危険を感じたのであろうか・・・、無意識のうちにみんなグランドにうつ伏せになった。放心状態でそのまま静かにして身を守っている。背中には雨が降り注ぐ。

 しばらくすると、雷が鳴りやみ、雨量も一時的にではあるが少なくなった。今とばかりにみんな、必死に走りだして校舎内へと逃げ入った。そして、着ている服の前面が泥だらけになった姿をお互いに見回している。中には制服である紺のプリーツスカートと純白の半袖ブラウスを泥だらけにして泣いている女子生徒もいる。おそらくは、恐怖から解放されたという安堵感と、泥だらけになってしまった制服の悲しさ・・・その両方からひき起こされたのだろう。
 
 絵里子も本当は泣きたい気分だった。しかし、生徒達の前ではさすがに泣くわけにはいかない。
 昨晩、両親からプレゼントされ、今朝おろしたばかりのグレーのスーツ。朝、家を出たときは皺一つなくあれだけ綺麗だったスーツが、今は全身ずぶ濡れで、前面はジャケットもスカートも泥だらけ。まるでぬかるみの上でヘッドスライディングでもしたようだ。
 けっこうな時間、ぬかるみの上でうつ伏していたせいもあって、ジャケットの生地に泥が染み込みインナーの白の開襟ブラウスまでも茶色く染まっていた。もう頭の中が真っ白だ。おろし立てのスーツが一日にして台無しである・・・。

 【 避難訓練 】も終わり、再び帰宅の途へとつく絵里子。先ほどと同じスーツを着ているとは思えないほど、変わり果てたスーツ姿となってグラウンドの脇を歩いて校門から出ていった。
 田舎町で人通りが少ないのが幸いで、泥だらけのスーツ姿を見られないで済んでいるのが不幸中の幸いだと感じていた。
 1,2分歩いたところに、昔は公園だったが今は更地となっている所へきた。今朝、学校へ行く時に気がついた場所である。更地とはいえ造営中ということもあり、蛇口がいくつか点在していた。一番近い水道場にいき、そこで絵里子は泥で汚れた部分を洗い流そうとした。辺りを見回すと、雨の中、ここも一面ぬかるみが広がっている。

 この光景を見て、絵里子は不思議な感覚に襲われた・・・。
 心の奥底で、雨に打たれてこうして歩いているのを気持ちよく感じ、さらには、昔よく遊んだこの場所で、子供の時のように泥だらけになって遊んでみたい・・・そんな感覚になっていた。絵里子は自分でもよく分からないが、びしょ濡れになったり、泥だらけになったりすることで快感になるという「古い記憶」が甦ってきたようだ。懐かしい感覚・・・。

 後先のことも考えず、スーツ姿で泥の水たまりに飛び込んでしゃがんでみたり、ぬかるみにうつ伏せになったり、ぐるぐると寝転がってみた。クリームのようにどろどろにぬかるんだ所を見つけては、うつ伏せになってそのまま匍匐前進などもしてみた。子供の頃の懐かしく不思議で気持ちの良い感覚が絵里子を童心に戻らせ、泥んこ遊びに興じさせた。
 同時に冷静な自分もいた。「お父さん、お母さん、スーツをこんなにしちゃってごめんね。でも・・・私・・・・。」と心の中でつぶやいていた。まるで何かに取り憑かれたかのように一心不乱に気が済むまで泥んこ遊びをした。

 今朝、おろし立ての生地の臭いが漂っていたスーツは、今は全身泥でコーティングされ泥の生臭さがする。水道から出る水でまず手を綺麗にした。そして手で掬った水を体のあちこちにかけていった。ホースがあればもっと早く洗い流せるのだが、ホースなどここには無いので地道に手で水を掬って泥汚れを落としていくしかない。帰宅して自分の姿を見れば家にいるはずの母親がびっくりして何か言ってくることは予想できた。びしょ濡れの状態だけなら、「途中で夕立にあって傘が無かったからこうなった」とでも言えるが、泥汚れがあっては説明がややこしくなる。そうならないように絵里子は必死で泥汚れを落とした。

 ジャケットやスカートの後ろ部分はさすがに見えないので、勘にたよって汚れを落とすしかない。それなりの時間をかけ、少なくてもスーツの前面は見事に綺麗になったところで家を目指した。雨はまだ降っているが、傘をささずに心の中で今の状況を楽しみながらゆっくりと歩いていった。
 玄関をあけ、「お母さん、ただいま!」と言うと、家の奥の台所の方から母親の声がした。急いで2階へ上がって自分の部屋に入れば母親に今の姿を見られずに済むと思った。玄関の方に向かってくる気配が無いことを確認すると、絵里子は自分の部屋に駆け込んだ。とりあえずはホッと一安心。しかし、これから一仕事が待っている。
 部屋にあったビニールシートを絨毯の上に急いで広げ、スーツやブラウスをはじめ体に身に付けているもの全てをその上に置いた。やはり、ジャケットの背中部分やスカートのお尻部分や腰辺りにはまだ泥が残っていた。ブラウスは茶色く染みてしまいクリーニングに出しても無理なほどだった。スーツは泥汚れさえ落とせばなんとかなりそうなレベルだった。今晩のうちに風呂場で綺麗にスーツの汚れを洗い流して明日にでも母親が絶対に行かない町外れのクリーニング屋さんに持っていこうと考えた。タオルで体についていた泥汚れを拭き取りバスローブを羽織るとお風呂場へと向かった。

 昔の記憶が呼び覚まされた今、絵里子の今後の教育実習生活にも変化が現れ始めようとしていた・・・。だが、それは潜在意識から突発的に顕在化するものなので、絵里子自身にもこの先、何が起こるのか・・・などまったく知る由もなかった。 ~教育実習生(5)へ続く~

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/605179/31103359

教育実習生(4)・・・実習初日【帰宅編】を参照しているブログ:

コメント

>てつや さんへ
お久しぶりです。
お忙しい中、書き込みありがとうございます。
てつやさんのコメントからは本当に泥んこMESSYがお好きなんだなと
分かるので、いつも楽しみにしておりますよ。

 >「ほっぺたまで灰色の泥んこになる程・・・」
いつかそういった表現でてつやさんが「ぐっ映」とくるような
ストーリーも書いてみたいと思います。(笑)
昔って水遊び、泥んこ遊びなど・・・普通にしえいた記憶があります。
私も、周りの友達も、男女関係なく公園や空き地で遊んだものです。

今後とも宜しくお願いいたします!

お久しぶりです。
ここにはサイト閲覧は可能でもコメントは多忙につき書けず申し訳ありませんでした。
小説拝見させて頂きました。今回のはどうやら長編小説の予感が僕自身しますので非常に期待したくなります。
ブラウスは台無しでもリクスーはOK、はかなり僕の理想ですね(笑)
多分、ですが顔まではさすがに泥んこにはなっていないと思いますが機会があれば「ほっぺたまで灰色の泥んこになる程泥んこ遊びを満喫した。」など一筆あると有り難いです(笑)
それにしてもこの絵里子ちゃんは相当の泥んこ好きですね~小学生の頃はおそらく泥んこ遊びに夢中になっていたと想像できます。これは僕の家内と同じ共通項ですね(笑)
長文失礼しましたがこれからも期待しておりますので。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。